世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」[主催:(一社)日本工作機械工業会、㈱東京ビッグサイト]が、11月5日(火)~10日(日)の6日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されている。出展規模は1,262社・5,743小間で過去最大規模。出展各社からは自動化や省人化、AI、脱炭素など、世界の未来を支える最新のモノづくり技術が提案されている。
アマダ
アマダは、今回が初披露となるファイバーレーザ加工機「REGIUS-3015AJe」を展示。中厚板加工の生産性を望む声に応えた製品で、新開発の自社製の26kW高出力発振器を搭載したハイエンド機。従来よりも高出力な15kWシングルモジュールを新たに開発、さらにモジュールからのビームを束ねる新技術「波長合波」を搭載し高出力しながらビーム品質を向上した。(『プレス技術』編集部)
ファイバーレーザ加工機「REGIUS-3015AJe」
西部電機
西部電機のブースで注目を集めたのは、今回参考出品として展示された水式ワイヤ放電加工機「MM75UP」(2025年リリース予定)。各軸移動量750×500という大きさながらピッチ加工精度は±1µm。従来機では±2µm程度だったため、大幅な精度向上となる。同社が長年得意としてきた手による「きさげ」作業を繰り返し、機械加工では難しい平面に仕上げ、精度を実現。近年のモーターコア製造に関連した金型の大型化に対応すべく大型かつ超精密な加工が可能なワイヤ放電加工機の需要は高いという。(『型技術』編集部)
ソディック
ソディックは、リニアモータ駆動超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove+ Edition」などで構築した工程間連携の自動化の提案を行った。同製品とリニアモータ駆動高速・高性能精密形彫放電加工機「AL40G+」のほか、AMRと3次元測定機を組み合わせて異種工程をつないだデモを披露。AMR上のロボットがワークに貼付したQRコードを読み込んでワークを自動でセットし、そのQRコードの情報をもとに工程全体を制御する上位システムからNCプログラムが転送されて自動で放電加工を行う。「AMRが行う部分を人が担うことで半自動からの導入も可能」(担当者)。(『型技術』編集部)
リニアモータ駆動超精密ワイヤ放電加工機「AX350L i Groove+ Edition」へロボットがワークをセットする様子
MOLDINO
MOLDINOは、新たに発表した高硬度鋼加工用超硬ボールエンドミル「IX-EPDB-TH3」を展示した。「次世代超硬合金」と銘打つ新開発の母材を採用することで高い耐摩耗性と耐欠損性を両立。他社製品との比較試験では切削時間が2倍以上となった。「小径になるほど高寿命工具は貴重。燃料電池向けなどの高精度金型の加工に対応した」(担当者)。刃先R0.05~1.25で106サイズを用意し、発売は2025年春を予定する。(『型技術』編集部)
高硬度鋼加工用超硬ボールエンドミル「IX-EPDB-TH3」
日進工具
日進工具は、新発売のMPXコーティング SUS420用ロングネックボールエンドミル「XRBH230」を展示した。52HRC相当専用の小径ボールエンドミル。独自の刃先形状と新開発のMPXコーティングにより、従来品と比較して2倍以上の工具寿命延長を実現した。工具寿命が延びることで工具コストを減らせるほか、段取り回数の削減、加工途中の工具交換によって発生する加工段差の発生抑制などの効果も得られる。刃先R0.05~1mmで83サイズをラインナップする。(『型技術』編集部)
MPXコーティング SUS420用ロングネックボールエンドミル「XRBH230」
三共製作所
三共製作所は、片持ち2軸円テーブルとパレット交換システムを組み合わせた自動パレット交換システム「三共パレットマスター」を展示した。マシニングセンタ(MC)で加工される部品や金型は多品種化している。それに対して同システムではワークをパレットごと交換することで工作機械の稼働率と生産性を向上させる。中型インデックスハンドラを搭載したパレット交換システムのパレットサイズは□400mm、パレットワーク最大荷重は400kgであり、最大直径500mmのワークに対応し、MCの側面扉からパレットを15秒で交換する。片持ち2軸円テーブルは参考出展だったが、同社独自のベアリング構造で高剛性・コンパクトを両立した。(『プレス技術』編集部)
バイストロニックジャパン
バイストロニックジャパンは、最大レーザ出力30kWのレーザ加工機「ByCut Star3015/4020」を展示した。同機は30kWのレーザを連続出力できることに強みがあり、板厚14~16mmの中厚板の切断に有効と言う。また、レーザ出力は3~30kWと用途に応じて調整できる。同加工機は構造用鋼、ステンレス、アルミニウムなどに対応し、最大50mmの板厚を加工できる。構造用鋼では6~15mmの板厚だと出力15kW・ミックスガスの2倍、20mm板厚では2倍以上の速さで切断できる。自動車や建設で需要が大きい。操作は、28カ国語に対応したタッチスクリーンもしくはペンダントで行う。(『プレス技術』編集部)