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機械設計

2026.10.14

設計や組立工程のすり合わせをシステム化:Scene社のAI業務基盤

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Scene 江澤 怜

えざわ さとし:取締役COO

はじめに:開発スピード競争と「力技のコンカレント化」 

 製造業の競争は、今や「開発スピード」を前提条件とする時代に入った。例えば自動車開発は、従来の構想から発売まで5~7 年というリードタイムから、中国の新興EVメーカーでは2~3 年へと短縮されている。後れを取れば、品質の優位だけでは勝ち切れない。 

 そのため、エンジニアリングチェーンを並行させる「コンカレント化」が必須となるが、現状の多くは、これを人の努力で押し切っている(図1)。結果として、繰り返される資料作成、絶え間ない会議、頻発する手戻りといった非付加価値業務が増大し、新たなひずみを生んでいる。ある部品メーカーの一部門では、こうしたコミュニケーションとレビュー会議だけで年間約4,300 万円、技術者およそ5人分の時間が費やされていた。
図1 コンカレント化の現状は「力技」に依存している

図1 コンカレント化の現状は「力技」に依存している

 とりわけ、設計が終わった後に続く「組立ての工程設計」は、設計付帯業務の中でも大きな工数と属人性をかかえる。これは、どの順序で組み立てるかを検討し、組立手順書・作業指示書として現場へ落とし込む一連の業務である。判断の経緯は口頭で消え、ノウハウは組織に残らず属人化し、品質のばらつきは最悪の場合ライン停止を招く。「人が辞めれば止まる」業務連携は、もはや経営リスクである。

コンセプト:コンカレント化を支える「業務基盤」 

 当社が提供する製造業向けの統合ワークスペース「Scene Workspace」は、この人力依存の業務連携をシステムに置き換えることを狙いとしている。コストと品質の約8 割が決まる上流フェーズ(製品設計・工程設計)を対象に、やるべきことは次の4つである。
 ①つくる:組み順・M-BOM・組立手順書をAIで生成し、資料作成を自動化する
 ②すり合わせる:場所と時間に制約されず、設計・生技・製造が非同期で知見を集約する
 ③残す:設計意図、組立ての勘どころ、トラブル情報をデータとして蓄積する
 ④つなぐ:1 カ所の変更を関連データに連動させ、データ品質を向上させる 
 これにより、設計付帯業務は「人が辞めれば止まる属人的な運用」から、システムが支える業務基盤へと置き換わる(図2)。経営価値としては、Time to Market(市場投入までの時間)の短縮と属人化の防止に直結する。
図2  Scene Workspace=コンカレント化の「業務基盤」。4つの機能で人力依存を置き換える

図2  Scene Workspace=コンカレント化の「業務基盤」。4つの機能で人力依存を置き換える

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