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機械技術

2025.04.26

日本工作機械輸入協会が創立70 周年式典を開く

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会員企業の事業展開と日本の機械加工現場の生産性向上を支援
金子一彦会長

金子一彦会長

金子一彦会長

 日本工作機械輸入協会は4月24日、ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)で創立70周年記念パーティーを開いた。同協会の会員企業や来賓ら約200名が出席した。金子一彦会長(三宝精機工業社長)は、あいさつで「当協会は欧米の優れた機械の輸入と普及に努めつつ、日本の工作機械メーカーとの技術提携の橋渡し役となることで、日本の製造業の発展に微力ながら貢献できたと思う。ビジネスの基礎を築いてくれた先輩方に敬意を表すとともに、これからも世界の最先端の工作機械や技術を日本のユーザー様に紹介し、日本のモノづくりに貢献していくことが使命だ」と語った。​
 同協会は1955年4月20日に「輸入工作機械協会」として設立、その後79年に「日本工作機械輸入協会」に名称を変更した。現在、正会員55社、賛助会員11社、大使館や工業会などの名誉会員11者が所属する。
 戦後、海外製工作機械関連製品の輸入と普及に努めた同協会とその会員は日本のモノづくりの成長をけん引した立役者だ。日本の工作機械産業も海外製品の機能や構造を研究し、独自の発展を遂げてきた歴史がある。一方、国内の機械加工現場は、各種製造コストの高騰、人手不足など、さまざまな課題に直面している。
 業界団体として会員企業の共通利益の増進やユーザーのモノづくりをどのように支援していくか。金子一彦会長に聞いた。

機械技術編集部

─70 年を振り返ってください。

金子会長

協会は設立から一貫して、海外製の工作機械や切削工具、工作機器の健全な輸入と普及・活用促進という会員企業の共通の利益増進に努めてきました。関連する行政機関への働きかけはもちろん、モノづくり産業、ユーザーの役に立てるように考えて行動してきました。たとえば、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に会員が出展するだけでなく、協会もその存在をアピールするイベントを開催するほか、欧州工作機械展(EMO)と米国国際製造技術展(IMTS)への派遣ミッションを通じて海外の最先端技術を理解し、紹介してきました。また、会員企業は海外の大手メーカーの製品を輸入・販売しただけではありません。中堅・新興メーカーの独自性のある製品を見つけて輸入・販売し、運用に必要な詳細な知識を学び、アフターサービスにも対応することで日本のお客様から信頼を獲得し、普及させた実績があります。たとえば、ある工具研削盤は国内の大手切削工具メーカーで数多く導入されていますし、ある5 軸マシニングセンタ(MC)はユーザーから高精度加工機として評価をいただいています。日本のモノづくりを支え、本国のメーカーが成長するきっかけをつくりました。売り手と買い手を結び、モノづくりの発展の一翼を担えたと認識しています。

─現在の日本の機械加工現場の印象は。

現有設備を大切に扱う意識が高く、丁寧に使用し、自社でも保全し、オーバーホールを依頼していただくことも多いです。また、バイスや治具、測定機器などは当協会の会員企業が扱う製品を使用していただいています。合理的な構造・機能や剛性を評価いただいているのだと感じます。

─日本の機械加工現場への提案は。

自動化や工程集約です。これは海外製品の強みです。人手不足に関する課題への対応として有効なのはもちろんですが、現場で作業する方の身体的な負荷軽減、さらに付加価値の高い工程への人員の配置による、生産性と収益性の向上が見込めます。ぜひ海外製にも目を向けて独自の機能や操作性に着目してほしいです。

─これからの協会の事業展開は。

会員企業の共通利益の増進とユーザーのモノづくりの支援という前提に変わりはありません。そのうえで会員数の拡張とユーザーへのさらなる有益な技術情報の提供に努めていきます。ぜひ、海外製の工作機械関連製品を扱う商社や海外メーカーの日本法人に仲間になってほしい。商社の方は独自で本国の企業にアプローチを希望しても、コミュニケーションがうまくいかないことがあります。でも当協会経由であれば、やりとりがスムーズになることがあります。海外メーカーの日本法人も日本で事業展開していく際に当協会の情報は有効です。ユーザーに向けては、海外展示会や海外メーカーの見学の機会を提供しています。日本にいるだけでは入手できない世界規模でのモノづくりの動向と技術、考え方といった新しい発見があるはずです。そうした情報は事業展開で必ず活き、独自の競争力の獲得につながると思います。

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