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展示会

2025.09.12

〈展示会レポート〉「測定計測展2025」が開催 -測定・計測関連機器・技術が一堂に集結-

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測定・計測関連の機器・技術を一堂に集めた「測定計測展2025」(主催:日本光学測定機工業会、日本精密測定機器工業会)が9月10日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。会場では光学・精密測定に関する最新の製品や技術が幅広く披露された。( 『機械設計』編集部 )
開会式の様子

開会式の様子

東京精密

 東京精密は欠陥解析に加え、寸法・形状・幾何公差を非破壊で計測できる計測用X線CT装置「Insightcom160」をはじめとした主力製品を展示した。Insightcom160は、さまざまな対象物をスキャン・測定・解析できる装置。主に小型の樹脂部品が対象になる。ほかにもリチウムイオン電池やアルミダイカスト部品などで実績がある。多数の対象物を一度にまとめてスキャンできる使いやすさが特徴。従来、オペレーターが自ら調整しなければならなかったスキャン条件のパラメータを自動的に最適する機能も備えている。シャフト形状ワークピースの寸法公差を短時間で評価できることを打ち出している光学式シャフト形状測定機「ShaftcomC」も新たにギヤ評価オプションを追加し、主力製品として存在感を示していた。
狭い場所でも設置できるサイズで設計した「Insightcom160」のイメージ

狭い場所でも設置できるサイズで設計した「Insightcom160」のイメージ

テクロック

 テクロックは全測定データのデジタル化によって測定の自動化、効率化を実現し、生産性向上につなげる「測定DX」をテーマとした商品やソリューションを展示した。その1つとしてBluetooth内蔵の新商品「SmartTester Bluetooth デジタル硬度計」が注目を集めていた。ゴムに加え硬い対象物にも対応する。展示では、デジタル硬度計を装着したスタンドとタブレット端末を用意。一定速度、一定過重でばらつきのない測定値が得られる。ゴム硬度などの測定結果はbluetooth通信でタブレット端末に送信され、データを取り込むことができるとともに、リアルタイムに分析できる機能が追加された。ソフトウェアは自社開発のため、ユーザーの要望に沿ってカスタマイズできるのも強みだという。
「SmartTester Bluetooth デジタル硬度計」を装着した測定スタンド

「SmartTester Bluetooth デジタル硬度計」を装着した測定スタンド

マグネスケール

 マグネスケールは搬送ロボットとデジタルゲージを使いワークを数μmという精密さで自動的に測定するデモ機を展示し、これによる測定の精度向上、省人化といったメリットを打ち出した。生産現場におけるロボットというと組立てや搬送のために使われるというイメージを覆す発想で、新たなロボット活用法を提案したものといえそうだ。ロボットのアームに外形、内径、深さなど、さまざまな測定ユニットを取り付け、ワークの測定を自動化。測定データをBluetooth通信によってリアルタイムにパソコンに送信すると、専用ソフトで合否判定が行われる仕組みだ。反復して長時間作業を継続できるロボットの強みを活かした測定システムとして、今後の普及が期待できそうだ。
ロボットアームを使った自動測定のデモ

ロボットアームを使った自動測定のデモ

第一測範製作所

 第一測範製作所は光学式非接触式小径内径測定器の新製品「IDM-100EX2E」を展示した。従来製品「EX2」の総合精度±(0.3+L/150)μmとの比較で精度を4倍向上したことをアピール。リングゲージや挟みゲージなどの校正に適しているという。ユーザーの測定スキルを問わず、簡単に測定できるため、高精度な測定を外部に依頼せずに行えることも強調ポイント。このほか、空気マイクロメータのようにエアコンプレッサーが不要でSDGs対応や環境対策に貢献できるとうたう「電気マイクロメータデジタル表示システムSmp」も主力製品としてアピール。内径や外径、日平行度の測定などに適している。テサ、マール、マグネスケールなどの電気プローブに対応。測定結果は最大0.01μmまで表示可能。
光学式非接触式小径内径測定器の新製品「IDM-100EX2E」

光学式非接触式小径内径測定器の新製品「IDM-100EX2E」

ミツトヨ

 ミツトヨは新製品の小型画像測定器「スマートビジョンシステム QM-Fit」を展示した。「薄物・小物部品の画像測定をタッチパネル操作で誰でも簡単に行える」(同社)ことが特徴。ワークをステージに置いて要素検出アイコンを押せば、円や線、円弧を自動で検出できる。特定箇所を測定する場合、測りたい箇所の輪郭を大まかになぞることで要素を検出することも可能。また、画面に表示させたルーラーを指で動かし、端面や円に近づけると自動で吸着し、ノギスを使ったように測定できる。円の中心間距離を測ることも可能だ。初心者向けに次の操作を教えてくれるガイド表示も備えている。さらに、測定手順を保存しておけば、ステージにラフに置いたワークでも形状認識し、自動で測定する機能も搭載している。測定可能範囲は115×75mm、最大高さ36mm、設置面積はA3サイズ以下で、本体重量は25kgとなっている。
小型画像測定器「スマートビジョンシステム QM-Fit」

小型画像測定器「スマートビジョンシステム QM-Fit」

ニコン

 ニコンは画像測定機「NEXIV VMF-K」を展示した。半導体デバイスをはじめとした電子部品などの寸法・形状を非接触で高速・高精度に自動測定できる。2次元寸法に加え、高さ寸法の視野内一括測定が可能なことが特徴だ。前機種を約15年ぶりにリニューアルし、2024年12月に発売した。光学系の機構設計を見直したことで、高さ測定のスキャンスピードが向上。前機種と比較して約1.5倍のスループット向上を実現している。高コントラストでエッジ部などの微細な形状の検出、評価をすることが可能な点も強みだ。「プローブカードのメーカーではデファクトスタンダードとして活用されている」(同社)という。
画像測定機「NEXIV VMF-K」

画像測定機「NEXIV VMF-K」

中央精機

 中央精機は300mm移動のテーブル面が全面フラットな大型ステージ2機種をPRした。MSSタイプは、従来機種に対して送りねじ部のカバーの突起をなくして、全面フラットとした。メインの材質にはアルミニウムを採用して軽量化を図っている。今回は、MSSタイプを除振台に取り付け、門柱には対物レンズを8個まで搭載でき、繰返し精度±0.2μm、レンズ間切替え時間0.4sのリニアシャフトモータ式対物スライダを搭載、オートフォーカス機能も備えた測定器として展示した。「ユーザーの要望に合わせてそれらをまとめて当社で提供できる」(同社)という点もPRした。また、HGSタイプは、送りねじを本体中心部に配置してMSSタイプよりも高精度な位置決めを実現した。500mm移動のステージも準備しているという。
全面フラットな大型ステージMSSタイプ

全面フラットな大型ステージMSSタイプ

エビデント

 エビデントは10月に上市予定の3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5500」を展示した。新たに白色干渉計を搭載したことで、半導体ウェハなどのnmオーダーの高さを測定することができる。ステージの傾きも手動で調整することが可能。1台でフォーカスバリエーション、レーザー顕微鏡、白色干渉計に対応するハイブリッド型で、1クリックでレンズを切り替えられる。サンプルに対して、広い視野でnmオーダーの高さを測定する場合は白色干渉計、サブμmオーダーの微細な凹凸・粗さを測定する場合はレーザー顕微鏡、全体形状を把握したい場合はフォーカスバリエーションといった使い方ができる。「これまでレーザー顕微鏡を使っていたユーザーが白色干渉計を使いやすいように、操作性を同じにしている」(同社)といった工夫もなされている。
3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5500」

3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5500」

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