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プレス技術 連載「我が社の現場DXはじめの一歩」

2025.02.28

第1回 素人でも簡単に使えるツールを発見!

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企画・文=ものづくりライター 新開 潤子(オフィス・キートス)
協力=SUS 株式会社

プログラム① 緑色のボタンを押した回数をカウントアップ

 自分で考えたプログラムとして、とりあえずつくってみたのが、スイッチの緑色のボタンを押すとチャイムが鳴ると同時に、その回数をカウントアップしていくプログラムだ(写真9)。こちらはSiO とパソコンでデータをやり取りする際に使用するソフト「IoT-Programmer」(2024 年4月にIoT-Moniter へ名称変更)を使用している。今回は音とカウントを一緒に設定したが、これを、

・ スイッチとチャイムで設定すれば「受付で人がボタンを押したら事務所でチャイムが鳴る」
・ スイッチをセンサに変更すれば「人が通過してセンサがON したとき、事務所でチャイムが鳴る」
・ センサを取り付けて「センサがON したとき、カウンターの数字がひとつ増える」と設定すれば、センサ前を通過した物の数を自動で数えられる

 このプログラムの製作時間は3 分ほどだった。
写真9 緑色のボタンを押した回数をカウントするプログラム

写真9 緑色のボタンを押した回数をカウントするプログラム

プログラム② 平日の10 時にライトがON になる

 続いてカレンダー機能を使ってみた。「月曜から金曜、平日5 日間の10 時に、SiO に接続したライトをON にする」と設定したところ、こちらも3 分ほどで完成。これを横展開すると、

・平日だけ同じ時間にチャイムを鳴らす
・ 週/ 月に1 回、メンテナンス開始の時間が来たらパトライトを回す
・ 設定した時間に、定期的にエアシリンダがONになる

 というような運用が可能になりそうだ。

プログラム③ エラー発生時にメールを飛ばす

 3 つめにつくってみたのは「エラーが発生したとき黄色ボタンを押すと、メールに定型文を送信する」というプログラム。今回は「件名:エラー発生(IN02 黄色ボタン)」「内容:IN02 黄色ボタンでエラーが発生しています。すぐに解消に向かってください」としたところ、5 分も経たずに動作させることができた。これを発展させると、

・ 作業者がエラーボタンを押すと、関係者にメールが届く
・ センサが一定時間ON しない場合(センサの前を一定時間物が通過しない場合)、コンベアが詰まっていると判断してエラーを発報すると同時にエラーメールを送る
・ 完成品BOX の満タンの少し手前にセンサを取り付けて、完成品がいっぱいになる前にメールを送信して、箱の入れ替えタイミングを担当者に知らせる
・ パソコンにカメラを接続しておいて、エラー発生の定義を決めて、エラー発生時の前後5 秒の動画をパソコンに保存する

 このような条件を上手に組み立てれば、「エラー発生に備えて現場で見ている」「そろそろ完成?というタイミングを測って完成品BOX を見に行く」「なぜエラーになったのか、原因を後から机上で想像する」というような、今まで当たり前にやっていた動作・作業をなくせる可能性がある。

 そしてこれを社内の人材で、低コストで組むことができれば、中小企業、町工場の現場から「スモールDX」をスタートできるのではないだろうか。
 ということで、本連載では「わが社の現場DXはじめの一歩」をテーマに、製造現場のスモールDX に有用なソリューションの一つであるSiO シリーズを活用した構築事例、改善事例を紹介していく。これを使えばプログラミングの知識・経験・スキルがなくても、現場のスタッフが自分のやりたいように、しかも短期間・低コストで、簡単な現場改善に取り組んでいくことができる。

 連載企画の始動と同時に、プレス加工業、板金加工業の2 社で実際にSiO シリーズを使った現場改善を実施するプロジェクトがスタートしている。連載の後半では小さな2 社の現場がどのように変わったか、リアルなところをご紹介できればと思っている。
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