ダッソー・システムズは、3次元CADソフトウェアの新版「SOLIDWORKS 2026」を発売した。昨年、「SOLIDWORKS 2025」をリリース後も、継続した機能強化のため4回のアップデートを実施。新版では400以上の新機能・機能強化が施されているという。特に、「業務効率化」、「工数削減」にフォーカスし、AI機能と3DEXPERIENCEプラットフォームとの連携機能が実装されている。
「コマンド予測」は、ツールタブに新たに「コマンド予測タブ」が設けられ、ユーザーの次の操作をAI が予測して、次に選択する可能性の高いコマンドを表示してくれる機能だ(図1)。例えば、3次元モデルの作成中はスケッチや押し出し、回転などのコマンドが表示される。これにより、コマンドを探す手間などを省くことができる。
「スマート合致」は、AIが形状をもとに締結部品(ファスナー)を自動認識し、アセンブリの適切な位置に合致させることができる機能(図2)。ナットやワッシャーをボルトの近くにドラッグすると自動的にスナップし、合致が完了する。SOLIDWORKSで作成した部品だけでなく、Webからダウンロードした部品にも対応している。
図面の自動生成も可能になった。3DEXPERIENCEプラットフォームに接続することで、3次元モデルの作成中にバックグラウンド処理され、三面図やアイソメ図、主要寸法をAIが自動生成する(図3)。位置合わせや寸法の微調整は必要だが、従来に比べて図面作成工数を大幅に削減できるとする。
また、大規模アセンブリの取扱いを効率化する「選択的ロード」機能が搭載された。まず、Webブラウザ上の3DEXPERIENCEプラットフォームで対象のアセンブリをプレビュー表示し、必要な部分にフィルターをかけると、そのフィルター部分のみをSOLIDWORKSに読み込ませることができる(図4)。フィルターの中で完成度状況を確認することも可能だ。従来はアセンブリ全体をSOLIDWORKSで開く必要があり、表示に時間を要していた。
そのほか、「SOLIDWORKS 2026 PDM」では、上位のフォルダ階層は表示されるが、下位のフォルダにのみアクセスできる機能を搭載。「SOLIDWORKS Simulation」では、構造解析において角度変位の結果を度(°)またはラジアン(rad)で表示できるようにした。