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展示会

2025.10.30

「メカトロテックジャパン2025」が開催 生産性向上や製造コスト削減に関する製品・技術を提案 Part1

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 工作機械や各種ツーリング機器、自動化機器などの専門展示会「メカトロテックジャパン2025(MECT2025)」(主催:ニュースダイジェスト社)が10月22~25日の4日間、名古屋市港区のポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催された。各種工作機械や切削工具、ツーリング機器、自動化機器、ソフトウェアなどのメーカー・販売店など524社・団体が出展し、新製品や活用例を紹介した。
 工作機械は省スペースや工具収納本数の増加など、切削工具は材種や形状、コーティングを改良したことによる精密加工への対応、センサや通信技術を活用する加工中の現象の計測方法など、製造コスト削減と品質の安定・向上を両立するための技術の提案が目立った。また、ソフトウェアではAI技術の搭載によるユーザーサポート機能を強化した製品が紹介された。来場者は4日間で7万7,613人だった。(『型技術』編集部、『機械技術』編集部、『機械設計』編集部、『プレス技術』編集部)

三菱電機

 三菱電機は、2025年7月に発売したワイヤ放電加工機「MG12」、「MG24R」を展示した。3つのコンセプト「誰でも簡単に高品位加工」、「止まらない」、「省エネ」をもとに開発。すでに他の機種で作成した加工プログラムをワンタッチで同社の加工最適化AI技術「Maisart」に適応したプログラムに変換できる新機能「1 Push Technology」を搭載。また、自動結線性能の向上や、AIによる機械の稼働環境の見守りと積極的なサポートを行うサービスによって、「止まらない加工機」をアピールした。

ソディック

 ソディックは、リニアモータ駆動マシニングセンタ「GS540L」を展示した。主軸には従来製品の「UX」シリーズのものより大きいBBT30を採用し、ドリル加工・タップ加工に対応する。金型のほか、電極や部品の加工も可能な万能性をアピールする。ブースでは、同製品に電極・ワーク自動搬送装置「SZ25」、および形彫り放電加工機「AL40G+」を組み合わせて、電極作成から放電加工までが自動で行えるソリューションを提案した。

牧野フライス製作所

 牧野フライス製作所は、立形マシニングセンタ「V300」を展示した。コンセプトは「いつでも、どこでも、だれでも」。各軸の熱変位を抑制したり、ベッド・カラム内に専用の冷却液を充填したりすることなどにより、設置環境の温度変化による加工精度への影響を抑える機構を採用した。ブースでは、同製品で加工した医療用マスク金型や、従来製品の「V33i」などとの比較加工品を展示し、高精度かつ均一な仕上げ面品位や加工速度の速さをアピールした。

芝浦機械

 芝浦機械は、2025年10月に発売した5軸制御超精密マシニングセンタ「UVM-450D(5AH)」を展示した。独自開発のHSK方式のホルダ、高安定の2軸ロータリーテーブルを搭載。工具形状測定機「FormEye」やワーク測定システム「ShapeEye」などとの組合せにより加工パスを3次元で補正できる。高精度での5軸直彫りによって隅肉除去性能の向上や金型の長寿命化が実現でき、放電加工に代わる加工の提案として、コネクタ金型製作をメインターゲットに展開を図る考え。

安田工業

 安田工業は、CNC5軸ジグボーラー「YBM Vi50」を展示した。ワークの最大重量は500kg、最大径はφ650mmで、従来製品の「YBM Vi40」と比較して2.5倍の重さのワークの加工が可能。ブルーム・ノボテスト製の測定機を搭載した機上計測の提案も行い、「高精度だけではない自動化をアピールする」(担当者)。もともと金型加工向けを狙った製品だったが、部品加工向けの需要が大きかったことから提案対象を拡大。ブースでは、半導体製造で用いられる真空チャンバー部品の加工事例を展示した。

西部電機

 西部電機は、2025年11月に発売を開始する油加工液仕様ワイヤ放電加工機「M35LP」を展示した。ピッチ加工精度±1μmを実現。加工範囲はX350×Y300×Z150mmで、従来製品の「M25LP」と比べて3方向すべてでストロークを拡大し、金型の大型化の需要に対応する。モータコア向け金型の製作を主なターゲットとする。ブースでは、同製品を協働ロボットやスケジューラと組み合わせて複数のバイトの再加工を行う自動化ソリューションのデモを行った。

オークマ

 オークマは、旋削機能付き5軸制御立形マシニングセンタ「UNIVERSAL CENTER MU-4000V-L」を展示した。、従来製品の「MU-4000V」に旋削機能を追加し、旋削・研削・ギヤ加工の工程集約を可能にした。また、コーナー部の加工時にX軸とY軸の送り軸の加減速を調整・最適化し、加工時間を短縮できる「SMART仕上げ機能」を搭載。ブースでは、同機能によりスクロール部の加工時間を14%短縮できた加工事例をアピールした。

日進工具

 日進工具は発売予定の新製品や加工事例を披露した。「CHR430R」はサーメットロングネックラジアスエンドミル。ゴム金型や部品加工の磨き時間の短縮を提案した。φ1×R0.1~φ6×R0.3の全8種類。「RSE325LH」は樹脂加工用のスクエアエンドミル。3枚刃右刃左ねじれ仕様。樹脂加工に特化した刃形状でバリを抑制する。サイズはφ1~φ6の全6サイズ。

ユニオンツール

 ユーザーの加工事例とともに新製品を紹介したユニオンツール。錠前や特殊材の加工を手掛ける高洋電機(三重県玉城町)によるMAT21材の加工とともに、ロングネックラジアスエンドミル「CLRS」の機能を紹介した。底刃形状にネガティブフラット面を採用。構成刃先によって発生する切削痕の除去に効果を発揮する。また、潤滑性と靱性を高めた独自のコーティング「UTCOAT」により、低中硬度材の加工で寿命が向上した。ステンレス鋼(SUS304)を回転速度5,200min-1、送り速度1,000mm/minで加工した場合で、従来工具の3倍になった。

CGTech

 NCプログラムの検証・最適化ソフトウェア「Vericut」の最新バージョンを紹介したCGTech。V9.6では画面レイアウトなどユーザーインターフェイスの改良に加え、AIによるユーザー支援機能を搭載した。「機能や操作方法に関して不明点があった場合、ChatGPTを使用する要領で質問事項を入力すれば、解答が示される。NCデータの検証・最適化を効率良く実施できるよう操作・機能を高めた」(担当者)。

ミツトヨ

 ミツトヨは、スマートビジョンシステム「QM-Fit」を展示した。キャッチコピーは「測るはもっと、ラクになる」。測定台に置いたワークの投影画面で測定したい部分をタッチすれば、円径や線長、円弧の角度などの測定結果を表示する。測定したい箇所を事前にティーチングしておけば、ワークを置くだけで測定することもできる。精度は±10μm。手のひらサイズの小物・薄物のワークの測定に向く。「人手不足の中、新人を即戦力に引き上げたいという需要に応えた」(担当者)。

東京精密

 東京精密は、表面粗さ・輪郭形状測定機「SURFCOM NEX 200 DX2/SD2」を展示した。検出器を支える駆動部が±45°傾斜することにより、ワークに回り込む形で測定を行うことが可能。向きを変更するのが困難な大型のワークの測定が容易となるほか、ワークの角度や位置を都度変更する手間が省けるため、測定作業の効率化や省人化に役立つとアピールした。また、X軸にリニアモータを採用したことで測定時の振動を抑えたり保全作業の手間を省いたりできるという。

コスメック

 コスメックは、「無線センシングクランプ」を展示した。無線通信によってクランプのリリース動作を検知する仕組みで、従来用いられていたエアーセンサに必要なエアー配管が不要になったため、省スペースでの設置が可能。また、エアーの供給によってセンサを作動させるエアーセンサに比べて応答速度が速いのも特徴。クランプの開閉を行う際のピストンの動きを利用して自家発電を行うため、クランプに電源を供給する必要がない。

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