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機械技術

2025.12.10

ホーコス、超音波加工機「NSU20」を展開 異業種への進出を目指す

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 機械メーカーのホーコス(広島県福山市)は、従来の自動車業界に加えて新たに脆性材料加工分野へ進出するために共同開発した超音波加工機「NSU20」(図1)を目下展開中だ。同製品の開発の経緯や今後の展望について、工機営業部第2 営業グループの佐藤寿一グループ長に聞いた。
図1 超音波加工機「NSU20」

図1 超音波加工機「NSU20」

脆性材料のコア抜き加工を提案

 同社は自動車部品加工向けのマシニングセンタ(MC)や集じん機、業務用厨房設備などを手がける機械メーカー。MC 事業では、「機械の故障の主原因はクーラント液と切りくず」と捉え、ベッドをなくして切りくず排出性を高めたベッドレスMC「N シリーズ」や、切削加工時に工具先端へ必要最小限のクーラント液を供給し使用油量を大幅に減らす制御システム「iMQL」などを開発し、故障の少ない工作機械として展開を図っている。

 同社は2022 年11 月に開催されたJIMTOF2022で、超音波加工を手掛けるアリューズ(埼玉県戸田市)と共同開発したNSU20 を披露した。超音波加工は、工具ホルダ内の振動子で発生させた超音波振動を工具に伝え、材料を高速でこすりながらたたくことで微細に粉砕して切削などを行う加工法で、通常の切削加工が適さないセラミックや石英ガラス、半導体材料のSiC などの脆性材料の加工に向く。また、加工面を滑らかに仕上げられるため、加工工程の省略にも寄与する。「加工後の残材が固形なので、残材をリサイクルできるのも特徴です」(佐藤グループ長)。

 NSU20 では、振動子を主軸内部に配置することで振動子を通常より大きくすることが可能となり、高出力の加工を実現。加工の一例としてバケツ状の工具(図2 左)を用いた脆性材料インゴットのコア抜き加工を提案しており、φ200mm のガラス製円柱のコア抜き加工が行えることを実証済みだとする( 同図右)。「こうした加工はNSU20 でしかできない。NSU20 は脆性材料の加工のあり方を大きく変える可能性があると考えています」(同)。
図2 コア抜き加工に用いる工具(左)とガラス製ワーク(右)
 同社は、同製品の展開を通じて、従来取引のある自動車業界とは異なる新たな分野への進出を推し進めたいという目論見がある。「まずは国内企業へのアピールに注力していきたい」(同)とし、展示会を主な周知の場としていくという。今年10 月に開催されるメカトロテックジャパン2025 でも加工サンプルの展示で潜在顧客への提案を図る考えだ。

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