光学技術は私たちの生活に深く根ざしています。「スマートフォンのカメラで写真を撮り、テレビで鮮明な映像を楽しみ、メガネやコンタクトレンズで視力を補正する」。これらはすべて光学技術が応用されたものです。しかし、多くの人にとって光学は難解で近寄りがたい分野で、「光学って難しそう」「物理が苦手だから」と思われる方も多いと思います。
本書は、光学技術を基礎からやさしく解説し、「現場で使える」知識の提供を目指しています。難しい数式を最小限に抑え、図やイラストを用い、現場で実際に用いられる機器や装置を例に挙げながら具体的に説明しています。
読者対象は、製造業の現場で設備や品質管理を担当する技術者など、光学を仕事で活用する方々や、光学に初めて触れる方々です。現場の課題解決や設備改善、製品の品質向上に役立つ内容を盛り込んでいます。
本書は、光の性質から始まり、反射・屈折といった基本的な現象から、カメラ、レンズ、ディスプレイ、光通信、光学センサ、さらにはナノフォトニクスなどの先端技術まで、光学に関する内容を幅広く網羅しています。
取り上げる範囲が広いぶん、テーマ間の流れを統一し、正確性を保ちつつわかりやすく説明することにとても苦労しました。とくに、抽象的で難解になりがちな内容も、可能な限り日常の例に置き換え、イラストを多く用いることで直感的に理解できるよう工夫しています。その結果、光学の知識がない方にも安心して手に取っていただける内容になったと思います。
光に関する基礎から応用までを一通り網羅しているので、「これなら自分の仕事にも活かせそう」「自然界で見えている現象の裏に、こんな光学の仕組みがあったのか」と感じていただける場面もあるかと思います。本書が、仕事での気づきや、日常を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。
出版年月日 2025/03/26
ISBN 9784526083877
判型・ページ数 A5 ・ 160ページ
定価 1,980円(税込)