アマダは5 月22 日、「アマダ・グローバルイノベーションセンター」(= AGIC、神奈川県伊勢原市)で中・長期の事業戦略や最新の加工事例、新商品に関する説明会を開催した(写真1)。同社は2030 年度までの長期ビジョンで売上高5,000 億円を目指しており、25 年度の売上高は4,050 億円(24 年度は3,966 億円)を見込む。これらの達成のため、直近では海外向け商品の投入や顧客の自動化・省力化を加速させるソリューション提案などでシェア拡大を目指す。長期的にはM & A による既存領域の強化と新市場への参入を図るほか、AGIC 内のラボルームの活用で新たな需要を掘り起こす考えだ。
海外向けではミドルレンジの商品を強化する。設計の合理化と部品のグローバル調達により、価格を従来比で2 割ほど抑えたファイバーレーザマシンとベンディングマシンを6 月に相次ぎ投入。対象地域における販売台数拡大を狙う。板金工場全体の見える化や自動化の提案も強化する。具体例として同日、素材供給から製品仕分けまでを自動化したファイバーレーザマシンとベンディング自動化システムの間のワーク搬送を、自立搬送型ロボットで行うデモを披露(写真2)。DX 向けのソフトウェア「LIVLOTS」により各マシン間のデータを連携することで作業の進捗を見える化でき、効率的な自動化が可能になると言う。
23 年のAGIC オープンと同時に開設したラボルームも公開。ラボルームには同社の最新ソフト・マシンが設置され加工検証が行えるだけでなく、品質をその場で確認するための測定室も用意されている。板金加工の課題解決や工法開発に関する検証以外に、電気自動車(EV)や半導体、医療といった同社にとって新領域の検証も増えている(写真3)。ラボルームの活用を通じて顧客との関係を深めつつ、EV や半導体分野については、買収した企業の顧客基盤も活用しながら新規顧客開拓を進めていく方針。