マシンビジョンに関する専門展「国際画像機器展2024」(主催:アドコム・メディア)が12月4日~6日の3日間、パシフィコ横浜で開催された。合計192社が401小間で出展し、3日間に15,686人が来場した。ここでは、各種画像機器・システムにおける各社の出展製品を紹介する。(「機械設計」編集部)
各種産業用レンズを手がけるCBCは、1型20メガピクセルに対応し、耐振動(10G)・耐衝撃(15G)設計の新製品「MPZ-Rシリーズ」を出展した。レンズと筐体を接着固定し可動部を排除した構造となっており、軽量化も図った。要望のF値にカスタマイズ対応が可能。最短撮影距離は0.1m。より耐振動・耐衝撃性を高めるため、本レンズとカメラの接合部分をゴムパッキンにより固定した構造も提案する。ドローンや産業用ロボットなどへの搭載を想定する。
コニカミノルタジャパンは、可視域~近赤外域まで高速測定が可能なハイパースペクトルカメラ「SPECIM FX」を出展した。ハイパースペクトルカメラは、素材の違いによる異物検査、有効成分や添加剤の濃度の評価など、通常のマシンビジョンカメラでは実現できないアプリケーションを構築できる。ブースではインラインでの適用例として、リチウムイオン電池製造工程の電極塗工・乾燥工程において、塗工したスラリーのL*a*b*分布からスラリーの状態をリアルタイムに監視する用途を紹介した。
ハイパースペクトルカメラによるスラリーの状態監視を想定したデモ
三菱電機は、「FA機器との連携」を掲げ、同社でコンタクトイメージセンサ(CIS)、サーボモータ、コントローラ、AI外観検査ソフトなどをトータルで提案できることをPRした。例として、フィルム/シート表面検査工程向け画像検査および制御アプリケーションのデモを行った。また、CISの新製品も紹介。KD-CFXシリーズは、被写界深度を従来比で約4倍の±1.8mmに向上したことが特徴で、多様な対象物の表面検査への適用が可能。解像度を1200dpi(分解能21μm)に高めた1200dpiシリーズ、最大搬送速度420m/minに対応したKD-HXシリーズは、2025年度に発売を予定する。
フィルム/シート表面検査工程向け画像検査および制御アプリケーションのデモ
シナノケンシは、外観検査用のデルタ型パラレルリンクロボットを出展した。小型ワークを対称とし、カメラユニットとアクチュエータを組み合わせることで、さまざまな角度からワークを撮影することができる。一体型フレームにはコントローラが内蔵されており導入が容易で、直感的なビジュアルプログラミングインターフェイスのソフトウェアで、操作や設定が簡単に行える。また、中型~大型ワークを対象とする、開発中の直行軸モデルのロボットも紹介。ターンテーブルに配置したステアリングの全周検査をデモした。
オプテックス・エフエーは、高速外観検査プラットフォーム「レボニー」を出展した。成形品や鋳造品など、多品種・立体物の高速多面検査に使用でき、多様な欠陥に対応する。対象ワークサイズはφ300×H200mm以下、重さ5kg以下。標準で多関節ロボット、オリジナル照明、2つのエリアカメラ、標準レンズ、検査ソフトなどを備えている。それらの組合せは自在に変更できる。「照明のシーシーエス、装置開発のミツテックを含め、オプテックスグループの要素技術を取り入れ提案する」(同社)。ギヤ対応タイプ、大型ワーク対応タイプも開発中だという。
リンクスは、光切断プロファイルセンサ「Gocator6320」と「Gocator2640」によるブレーキディスクの外観検査・打刻文字の深さ計測をデモした。2640によりブレーキディスクを斜めに撮影し、側面と上面を一度にスキャン。ワークの配置向きと同じになるように変換補正をかけ、内蔵の計測ツールで穴を検出して半径を算出したり、側面の欠陥を検査したりした。6320では、小さな打刻文字や背景の縞模様を鮮明に捉えた。6320は新機種で、最大計測点数6500、X分解能4.3μm/pix、視野幅31mm、スキャンレート10kHzの能力を備えている。
Gocator6320」と「Gocator2640」によるブレーキディスクの外観検査・打刻文字の深さ計測のデモ