全日本製造業コマ大戦千葉きぼーる場所(日刊工業新聞社など後援)が、9 月中旬に千葉市中央区のきぼーるで開かれた。34 チームが参加し、ヨコオ(群馬県富岡市)が優勝した。
コマ大戦は、直径20mm、高さ60mm 以内のコマで参戦。対戦相手を土俵の外へ弾き飛ばすか、相手より長く回れれば勝ちとなる。
同場所の今回のテーマは「匠の技vs 若き挑戦者」。コマ大戦の常連参加者を「匠」とし、工業高校生などを「若き挑戦者」として競わせた。挑戦者の顔ぶれは、小学生や芸人の牧野ステテコさんなど多岐にわたった。
先端をとがらせて土俵の一箇所に止まっているように長時間回る「止まり系」のコマから、ボディが花のように開いたり、側面に突起を付けたりして相手を弾く「飛ばし系」のコマまで登場した。また、世界大会優勝経験チームも参加した。同チームは、止まり系のコマで参戦。飛ばし系のコマと戦わないために、第一回戦でわざと負けて敗者復活戦から本戦へ臨もうという作戦を練ったが、敗者復活戦で敗退。「策士、策に溺れる」波乱の展開をみせた。
回転の力でボディが伸びて開き、広がるコ マで参戦した参加者もいた
優勝したヨコオはボディの側面にイボをつける飛ばし系でありながら、相手に応じて改造できるコマで臨んだ。回し手を務めた小島悠大さんは、これまでの大戦で相手に勝った瞬間に、興奮のあまり、自分のコマを手づかみしてしまい、反則負けとなった苦い経験をもつ。なので「今回は反則できないようなコマに仕上げた」。
決勝に臨む「旋盤の悪魔」の堀謙伸さん(左) とヨコオの小島悠大さん(右)
2 位に入賞したのは、愛知県のチーム「旋盤の悪魔」。こちらも、ボディにイボを付けた飛ばし系で臨んだ。投げ手を務めた堀謙伸さんは、「仲間同士で技術提携や情報交換を続けてきたため入賞できた」と話す。3 位には、長野県の「チーム・アイアンマン」が付けた。投げ手を務めた中原健司さんは、改造型のコマで参戦し、「どんな相手にも臨機応変に戦えたのが功を奏した」と振り返った。
コマ大戦は、参加した企業同士での交流や、企業と学生が出会って就職につながるなど、さまざまな効果を生んでいる。今後も全国各地で開催予定だ。(栃木支局 山田 諒)