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型技術

2025.04.05

金型特化のマッチングサービスで金型業界の「受注の平準化」を支援―アイカタマッチング

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 金型産業は顧客の景気動向などの影響を受けて受注の変動が発生しやすく、金型メーカーにとって「受注の平準化」が大きな課題の一つとなっている。そうした中、2024 年10 月設立のアイカタマッチング(名古屋市中村区)は、金型メーカーの受注平準化の支援に向けて、今年1 月に金型業界に特化したマッチングサービス「相型MATCHING」の提供を開始した。同社の前田雄太代表取締役CEO(図1)に、同社設立の経緯やサービスの狙いなどについて話を聞いた。

発注者と金型メーカーをサイト上でつなげる

 前田CEO は長崎県の出身。地元の工業高校を卒業したあとにデンソーへ入社しプレス金型の設計・開発から量産立ち上げ、樹脂成形の研究開発などに約18年間携わった。在職中に外注先の金型メーカーと関わる中で、非常に短い納期を迫られて業務がひっ迫してしまうケースがある一方で、発注元のプロジェクトの中止などで仕事が突然なくなるといったケースがある実情を何度も目の当たりにしてきた。「忙しい金型メーカーと仕事がない金型メーカーが協業できたら仕事の量が平準化できる。そこをマッチングさせるところに需要があるのではと考えたことが起業という発想に結びつきました」(前田CEO)。

 2023 年10 月にデンソーを退社後、1 年間の立ち上げ準備期間を経て2024 年10 月に同社を設立。今年1月から金型業界に特化したマッチングサービス「相型MATCHING」の提供を行っている。

 同サービスでは、金型を必要とする「発注者」と、金型加工などを受注したい金型メーカーを主とする「受注者」を、専用サイトを通じてマッチングさせる。受注者は、自社の特徴や製品・サービスの詳細、会社概要、対応可能な分野などの情報をあらかじめ登録しておく。発注者が発注したい案件について希望納期や予算、加工分野、依頼内容の詳細などの情報を入力すると、その案件に対応可能な受注者の候補がリストアップされる仕組み。「従来は直接の打合せなどで確認していた細かな条件をあらかじめ提示できるところが特徴の一つです」(前田CEO)。

 また、チャット機能も搭載しており、マッチングの成立後にサイト上でより詳細なやり取りが行える。さらに納品後に発注者と受注者の双方が互いを評価する機能も備える。「納めた製品の品質や納期遵守などの評価以外にも、やり取りの中で相手企業に法令違反がなかったかなど、コンプライアンスに関する評価も行えるようにしました」(前田CEO)。評価の実績はほかの利用者も閲覧できるため、高い評価を得た企業は利用者から「安心して取引ができる企業」と認識されやすくなる。

 金型メーカーが発注者となり、ほかの金型メーカーとマッチングして仕事を依頼することも可能。また、同サービスは金型の受発注に関わる企業を主な利用者として想定しているが、部品加工や設備、材料など金型以外の分野の企業でも利用することができる。利用料は発注者が無料、受注者は月額1 万3,200 円から。

 当面の目標として、2024 年度中に50 社の会員登録を目指す。現在は国内企業の利用のみを想定しているが、今後は海外企業を含めたマッチングにも乗り出したい考えだ。

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