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型技術

2026.10.22

金型業界アンケート2026【前編】

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8割以上の企業が人材採用に課題

 人材採用の状況について尋ねた設問では、「大いに問題あり」が42.2%、「やや問題あり」が39.9%と、8割以上の企業が課題を感じている結果となり、人材確保の厳しさが強く示された結果となった(図10)。特に中小規模が多い金型業界では、若年層の確保難や職種の魅力の発信不足が影響している可能性が高く、構造的な人材不足が常態化している現状が改めて示された。
図 10 人材採用の状況

図 10 人材採用の状況

 当然ながら、必要な人材が確保できない、あるいは定着しないという課題に対する取組みも各社で行われている。人材確保や定着のために実施している施策について尋ねたところ、「給与や働き方の改善」が68.2%と突出しており、待遇面の見直しが最重要施策として捉えられていることが明らかとなった(複数回答、図11)。これに続いたのが、「工業高校・大学などへの働きかけ」(51.4%)や「人材採用サービスの活用」(48.0%)だが、「社内設備・環境の整備」も38.2%の回答があり、いまだ根強く残る「3K」のイメージを拭い去るとともに、女性や高齢者など多様な人材が快適に働けると感じられる職場を実現することが、人材確保・定着の観点で重要であるという認識が広まりつつあることが示された。
図11  人材確保・定着のために実施している施策(複数回答)

図11  人材確保・定着のために実施している施策(複数回答)

 一方で、人材育成のための施策については、「OJTの実施」が72.8%と圧倒的に多く、現場での実務教育を軸とした育成が主流であることが示された(複数回答、図12)。社外研修やセミナーなどを活用した「Off-JTの実施」(51.4%)や、「スキルの可視化」(42.2%)も高水準で、体系的教育との併用も進んでいる。一方で「キャリアパスの明確化」は15.6%にとどまり、中長期的な成長の道筋を提示できている企業は低い割合にとどまることが示された。
図12 人材育成のために実施している施策(複数回答)

図12 人材育成のために実施している施策(複数回答)

約4割の企業で産学連携が未実施

 厳しい環境にさらされる金型企業が今後生き残っていくためには企業競争力を養うことが求められる。アンケートでは競争力の強化に関して、産学連携や企業間連携の取組みの状況などについて聞いた。産学連携の取組みについては、「取り組んでいない・取り組む予定はない」が38.7%で最も多く、未実施企業が一定数を占めている(図13)。一方で「すでに取り組んでいる」は27.2%と一定の広がりを見せ、「検討・準備を始めている」(12.1%)も含めると約4割が前向きな姿勢を示している点は注目される。
図13 産学連携の取組み

図13 産学連携の取組み

 産学連携の取組みの具体例について自由回答で尋ねた設問では、「超小型ガスタービンの開発」(兵庫県のプラスチック金型メーカー)や「東京大学と小型のフィルム装置開発」(神奈川県のプラスチック金型メーカー)など装置開発に関わるもののほか、「ロボット開発」(三重県のダイカスト金型メーカー)、「CAMの自動化・省力化」(富山県のアルミ押出金型メーカー)、「再段取りレスの仕上げ加工」(静岡県のダイカスト金型メーカー)など、自動化・省人化に関わる回答が多く見られた。また、「インドネシアの工業系単科大学と連携し、就職支援や教育支援のサービスを開発中」(広島県のダイカスト金型メーカー)といったグローバルの産学連携に取り組む企業もあった。

 一方、企業間連携については、「すでに取り組んでいる」が39.3%で最多となったほか、「検討・準備を進めている」も22.0%に達しており、約6割が何らかの形で連携を進めている状況が示された(図14)。ただ、「取り組んでいない・取り組む予定はない」は31.8%と、こちらも未実施企業は一定数存在する。
図14 企業間連携の取組み

図14 企業間連携の取組み

 企業間連携の取組み実績についても自由回答で尋ねたところ、「異業種の企業連携により一括受注への取組み」(大阪府の発砲成形・真空成形金型メーカー)、「プレスやゴム、組立業者と連携して完成品を納入できる体制を構築」(富山県のプラスチック金型メーカー)、「当社では対応できない前後工程の企業と協力しビジネス獲得を目指す」(長野県のプレス金型メーカー)など、自社単独では対応しきれない受注への対応力強化を目的とした取組みに関する回答が最も多かった。一方で、「AIアプリ開発」(三重県のダイカスト金型メーカー)、「顧客との新素材開発」(岡山県のプレス金型メーカー)など、付加価値創出やビジネス領域拡張を志向した連携に関する回答も見られた。


 次回後編では、新規事業の取組み状況や、中国金型メーカーへの対応、AI活用の状況、取引環境の課題などについての回答結果を紹介する。
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