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機械設計

2025.11.06

エビデント・インスペクション・テクノロジーズ・ジャパン、工業用ビデオスコープのフラグシップモデル「IPLEX One」を発売

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 エビデント・インスペクション・テクノロジーズ・ジャパンは、工業用ビデオスコープと非破壊検査機器の新製品を発売した。同社は、もともとはオリンパスの科学機器事業を継承して設立されたエビデントの検査機器事業であり、2025年7月に米国Wabtecが買収して発足。新体制での初の新製品リリースとなる。

 工業用ビデオスコープの新製品「IPLEX One」(写真1)は、9年ぶりに発売するフラグシップモデルで、「IPLEX NX」の後継機となる。ターゲットは航空会社のエンジン検査部門やMRO(保守、修理、運用)、自動車や重工業の開発部門や品質保証部門、発電や石油化学の設備保全など。それらの現場で観察・計測・診断をすばやく行うための機能が搭載された。
写真1 工業用ビデオスコープ「IPLEX One」

写真1 工業用ビデオスコープ「IPLEX One」

 スコープの先端に姿勢センサ(重力センサ)を搭載し、モニタ上の青と茶のインジケータで天地方向がわかるようにした。これにより、配管内などの観察対象にスコープを挿入後、スコープの先端位置を見失うことなく、検査位置を可視化できる。

 φ4mmのレンズ内に超小型アクチュエータを搭載したことで、単一のレンズで観察視野の切替えを行い、レンズ交換を不要にする、「Swoptix」と呼ぶ技術を搭載したことも大きな特徴だ。単一のレンズで前方と側方の観察、近点と遠点の観察、広角観察と高精度計測を切り替えることができるため、レンズを交換するために配管内などへのスコープの挿抜を行う回数を低減でき、観察箇所も見失わないため、検査時間を短縮できる。

 また、検査環境に合わせて形体を変更し、見やすい位置に配置することも可能。リモコンは高出力の無線通信とし、姿勢センサの採用により、スコープの湾曲操作が行える。

 IPLEX One は、1つのハードウェアに4つのグレードを用意し、アップグレードはソフトウェアで行える。

 非破壊検査機器の新製品は、超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan X4 128:128PR」(写真2)と溶接部検査用スキャナ「HSMT-Flex」(写真3)。発電プラントや風力、造船などをターゲットとしている。
写真2 超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan X4 128:128PR」

写真2 超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan X4 128:128PR」

写真3 溶接部検査用スキャナ「HSMT-Flex」

写真3 溶接部検査用スキャナ「HSMT-Flex」

 探傷器の新製品は従来の最上位モデルの2倍の128chパルサーを搭載。より強力に、より遠くまでビームを送信することができ、傷の描写も鮮明になる。ラボレベルの探傷性能であるという。オープン開発プラットフォームを採用しているため、測定データは自由に解析することができる。重さは5.9kg、IP65に準拠しており、従来モデルと同じ重さ・大きさ・耐久性を維持している。

 スキャナの新製品は、経験の浅い検査員でも良質なデータを取得できる機能を搭載した。内蔵のレーザーポインターで正確なスキャンをガイドするほか、プローブのカップリング状態や適切なスキャン速度などをLEDで表示する。検査画面はスマートフォンに表示させることができる。

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