機械設計 連載「B to B向け機械設計のポイント」
2026.03.30
第6回 デザインレビューで大切なポイント
技術力向上カウンセリングオフィス 布施 裕児
ふせ ゆうじ:代表 1989 年4 月、旭硝子(現・AGC)入社、パソコン用ハードディスク向けガラス基板の加工技術開発、営業などに従事した後、液晶用のガラスを扱う事業部に異動となり、液晶用ガラスの梱包容器/ 梱包材料の設計開発を17 年以上担当。途中、1 年半ほど知財部兼務となり、特許戦略構築、出願推進活動も経験。2023 年4 月、同社を早期退職。現在は中小企業の技術支援や組織改革支援、セミナー講師として活動中。(一社)製造業総合支援 副代表。資格:上級心理カウンセラー[(一社)日本能力開発推進協会]。
はじめに
ここでは、デザインレビューを「試作品をつくって顧客に評価してもらうなどの量産検証に進んでよいかどうかを判定する審査」として定義している(図1 参照)。基本設計/基礎開発の結果をまとめ、設計開発内部でまずはしっかりデザインレビューをすることが大切である。その結果、OKと判断すれば、開発計画書なりで今度は関係部署の合意を得ることになる。
したがって、デザインレビューを次の量産検証に進んでよいかどうかの審査とするならば、開発計画書なりにまとめ、関係部署の合意を得るところまでがデザインレビューとも言える。しかし、今回は事前に設計開発内部で行うデザインレビューについて大切と思うことを紹介していく。その後、開発計画書にまとめ、関係部署と協議を行い合意を得るのは「量産検証で大切なこと」として次回、紹介する予定である。関係部署と協議を行い合意を得るのは、まさしく量産検証というプロジェクト活動の出発点である。基本設計/基礎開発のステージはいわば企画書の側面があるので、プロジェクト活動の前に、企画に不備がないか、十分かを検証することが大切である。
デザインレビューで大切なこと
関係部署に説明し、進め方の合意を得るために行うレビューは、製造や品質保証、営業の観点から見た議論になり、技術的な深いレビューはできない。前もって、設計開発のメンバーで技術的な内容を徹底的に議論することが大切になる。
また、いわゆる品質(Q)、コスト(C)、デリバリー(D)からなる量産性の検討も重要である。しかし、この段階で大切なのは、実際に完成形がイメージでき、これなら実現できると設計開発者が自信を持って思えることである。覚悟と言ってもよい。実際の検討は量産検証を開始してから実施していけばよいのである。懸念事項がゼロになることは通常あり得ない。開発納期などの点で、データが十分にないまま、量産検証に進み、基礎検討を引き続き実施する必要がある場合も多分に発生する。
いずれにしても、仮に修正が必要になったとしても修正範囲内と思えることが大切である。修正範囲内とは、開発している商品や、設計開発に使われる予算、マンパワー、スケジュール、社内状況によるところが大きく、ケースバイケースとしか言えない。
しかしながら、説明責任は設計開発のメンバーにある。指摘された懸念事項に対して設計開発のメンバーがしっかり完成形をイメージし、懸念事項に対する対応案も自信を持って説明できないとそもそも議論にならない。