<展示会レポート> 「テクニカルショウヨコハマ2025」が開催
モノづくりの最新技術と機器・ソフトウェアが横浜に集結
首都圏最大級の工業技術・製品の総合見本市「テクニカルショウヨコハマ2025」(第46回工業技術見本市)が2月5日(水)、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開幕した。「加工技術」、「機器・装置・製品・ロボット」、「DX・AI・IoT」など6つのゾーンに810社・団体が出展。最新の技術や製品、サービスをアピールした。(「機械技術」編集部)
NKワークス
NKワークスは、トルコのROWND Precision 社製の卓上CNC旋盤をアピールした。小型で軽量ながら、樹脂から金属までさまざまな加工が可能。アタッチメントを交換すれば、旋削に加えてフライス加工やレーザ加工も1台で行える。7インチのタッチスクリーンを搭載し、操作性にも優れる。オプションのアタッチメントを含めて価格は約200万円。試作や教育現場での需要を見込み、今春の発売を予定する。
サンドビック・ドーマープラメット
サンドビック・ドーマープラメットは、フライス加工用の高送り工具や旋削加工用のインサートを出展。旋削用インサートは3層のコーティングに特徴があり、構成刃先を抑制する独自のTiBN層、厚みのあるTiN層、硬質AlTiN層を重ねることで長寿命を実現した。ステンレスやチタン、インコネルなどの難削材加工で威力を発揮する。
ORIGINALMIND
ORIGINALMIND(オリジナルマインド)は、卓上CNCフライスによる金型加工や卓上射出成形機による成形のデモを行った。卓上CNCフライス「KitMill AST200」は±0.02mm以下の精度で加工でき、鋳鉄製フレームの採用で鋼材も安定して切削できるのが特徴。切削油(クーラント)をかけながら加工できるクーラントケースもオプションで用意する。発売当初は個人ユーザーが多かったが、最近は企業が試作用途で購入する例が増えているという。
ニッシン・パーテクチュアル
ニッシン・パーテクチュアルは、フェムト秒レーザ加工のサンプルを展示。熱の影響をほとんど受けない加工特性を活かし、精緻なデザインを再現できる点をアピールした。金属だけでなく、和紙や木材、PEEK材も加工できる。キャラクターや模様などのデザイン作成には生成AIを活用した。同社は金型製作が祖業だが、近年はフェムト秒レーザ加工機や放電加工機、マシニングセンタを用いた部品の受託加工にも力を入れている。
ティーアイシー
ティーアイシーは、5軸加工の技術力をアピール。複合旋盤や5軸マシニングセンタを複数台保有し、複雑形状かつ高精度な部品の量産加工(10~100個程度)を得意とする。チタンやSUS316など難削材にも対応。半導体製造装置や医療機器、航空機部品など幅広い分野に部品を供給しており、品質保証のための検査機器も充実させている。
ジーネット
ジーネットは、アルム(石川県金沢市)が開発したNCプログラム自動生成ソフト「ARUMCODE(アルムコード)」をアピールした。ワークの3次元データをもとに、工具選定から切削条件算出、加工経路生成まで自動で行う。写真は同ソフトで生成したNCプログラムを使って加工した例。立形・横形の3軸マシニングセンタ(MC)向けと立形5軸MC(90°割出し加工)向けのソフトがリリースされており、今後、複合旋盤加工や研磨加工などへの対応を予定する。NCプログラムの作成がボトルネックになりがちな、多品種・小ロットの加工現場に訴求する。
キッセイコムテック
キッセイコムテックは、帳票電子化ツール「eXsiteDesigner(エキサイトデザイナー)」を出展。製造現場で使われるチェックリストや報告書の多くがExcelでつくられることに着目。Excelに同社のシステムを組み込み、ExcelベースでWebアプリを作成できるようにした。写真右が作成画面、左が完成した電子帳票。帳票の内容が変わってもユーザー自身が簡単に修正でき、使い勝手がいい。使用料は30ユーザーで月額3万円。