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展示会

2025.10.31

「メカトロテックジャパン2025」が開催 生産性向上や製造コスト削減に関する製品・技術を提案 Part2

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 工作機械や各種ツーリング機器、自動化機器などの専門展示会「メカトロテックジャパン2025(MECT2025)」(主催:ニュースダイジェスト社)が10月22~25日の4日間、名古屋市港区のポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催された。各種工作機械や切削工具、ツーリング機器、自動化機器、ソフトウェアなどのメーカー・販売店など524社・団体が出展し、新製品や活用例を紹介した。
 工作機械は省スペースや工具収納本数の増加など、切削工具は材種や形状、コーティングを改良したことによる精密加工への対応、センサや通信技術を活用する加工中の現象の計測方法など、製造コスト削減と品質の安定・向上を両立するための技術の提案が目立った。また、ソフトウェアではAI技術の搭載によるユーザーサポート機能を強化した製品が紹介された。来場者は4日間で7万7,613人だった。(『型技術』編集部、『機械技術』編集部、『機械設計』編集部、『プレス技術』編集部)

ブラザー工業

 ブラザー工業は、30番の5軸マシニングセンタ「U500Xd2-100T」にパレットチェンジャー「PC-1」を組み合わせた自動化システムを披露。U500Xd2-100T は新開発の100本マガジン搭載で予備工具をストックできるのが特徴。工具交換時の切りくずの嚙み込みを検出し、切りくずを落として工具交換をやり直すリトライ機能も装備しており、夜間の無人運転時に威力を発揮する。PC-1は200mm角、15㎏までのワークを40パレット分収納可能。ロボットが加工機へのパレットの搬入出を行い、多品種少ロット生産を効率化する。

愛知産業

 愛知産業は、独ハームレ社製5軸マシニングセンタ(MC)とオートメーションシステム「HS flex」、独ラング社製のクランピングシステムを出展。多品種少量生産の自動化を提案した。HS flexは500mm角、400mm角、300mm角の3種類のパレットを混在させて収納でき、さまざまなサイズのワークに対応。スマートフォンのような操作感で、加工スケジュールの変更も容易だ。写真のようにHS flex(左) とMC(右)を分離すればMCを単体機としても使用でき、オペレーターがMCの前に立って加工する“通常運用”も可能。

三井精機工業

 三井精機工業は5軸制御立形マシニングセンタの新機種「Vertex55X Ⅳ」を初出展した。主軸とC軸テーブルに新たな熱変位対策を施し、従来機よりも動的精度を向上した。主軸ではエアによる軸心の冷却、内部冷却回路の改善、低発熱タイプのベアリングの採用などにより、25,000回転時の熱変位量は従来機と比較して、X、Y、Zそれぞれ1/4、1/6、3/4に抑えた。テーブルは内部構造を見直し、不均等な変形を抑えたほか、C軸駆動モータの取付けベースを冷却し、モータの熱が構造体に伝わりにくくしたことで、8時間連続運転後の熱変位量は従来機と比べてX、Yそれぞれ3/4、1/2に抑えた。金型や航空機部品など、加工に長時間を要するワークの加工面を改善する。

ツガミ

 ツガミは、CNC精密自動旋盤「BW389ZJ」を出展した。構造解析に基づく最適設計により剛性を確保し、加工径は最大φ38mmまでの重切削を可能としている。主軸を挟んだ前刃物台と後刃物台が独立して動く構造のため、前後刃物台による同時加工が行える。また。加工をしていない刃物台が次の加工に備えることで工具交換の時間を短縮し、生産性を向上する。

シチズンマシナリー

   シチズンマシナリーは、主軸台固定形CNC自動旋盤「BNE65ATC」を出展した。2つの刃物台の一つにB軸を備えて5軸加工を実現するとともに、ATC機能を搭載した。最大加工径はφ65m。B軸は正面・背面から任意の角度でフライス加工やドリル加工が行える。ATCは最大24本の工具をストックでき、刃物台も含めて最大66本の交換が可能。設置面積は従来機と同等以下に抑えた。

アマダ

 アマダのブースでは、板金加工向けの自動化システムが注目を集めた。ファイバーレーザ加工機「VENTIS-3015AJe」に組み合わせたパレットチェンジャー「CREST-3015」は、レーザ加工機上部にストッカを配置し、デッドスペースを有効活用することで省スペースを実現。ストッカ内の材料を画像で確認できる機能があり、材料の余り具合の確認や次に加工する材料のネスティング(配置設計)も可能だ。協働ロボット「CR-010B」による曲げ加工の自動化システムは簡単に着脱が可能。省スペースにもこだわり、現場への導入のハードルを下げた。

MOLDINO

 MOLDINOは、リブ溝部や精密形状など、特徴のある金型の加工を想定した工具と効果を紹介した。「エポックバーチカルフィニッシュミル EPVF-ATH」は突き往復加工用エンドミル。ラジアス工具での荒加工時の工具交換で発生する段差は仕上げ時に除去することが難しく、深さのある部分の面品質を仕上げる磨き作業も課題だった。専用工具のEPVF-ATHは底刃と外周刃にシームレス刃付けと弱ねじれ角を採用したことでスムーズな切れ味を実現。また、外周刃にはバックドラフト形状を採用したことでびびりを抑制し、深堀り時の加工品質が高まる。フリーネックタイプのため、首部に段差がなく壁面への干渉リスクを低減した。

アーム産業

 旋盤チャック用生爪メーカーのアーム産業は、北川用鉄生爪などの製品群のほか、独自製品の「生爪切粉ガード」を出展した。生爪への切粉の侵入や詰まりを軽減・防止するもので、特に内径削りによる細かい切粉に効果があるとする。切粉除去の手間が省けるため、作業性が向上する。オートローダーにより自動加工しているユーザーに最適だという。

日本トムソン

 日本トムソンはYKKと共同開発した高耐久ファスナーを使った直動案内機器の防じん用カバー「ファスナータイプ高機能防じんカバー」を出展した。カバー用テーブル内に組み込まれたスライダーによって、テーブルが直線運動すると高耐久ファスナーが開閉。直線運動とファスナー開閉を両立した。防塵に加え、内部からの異物飛散を防ぐ。カバーのみを取り外して交換することも可能。

スガツネ工業

 スガツネ工業はSTABILUS製の電動アシスト「POWERISE」を出展。電動モータによる伸縮動作により扉の自動開閉が可能となる。上下の伸縮動作をボタン操作やセンサ、タッチパネルなどと接続して制御することができる。自動車業界にも採用実績のある製品で、大型工作機械の扉開閉部などにも適している。

Hexagon Manufacturing Intelligence

 Hexagon Manufacturing Intelligenceは加工から測定、品質検査の機械加工の一連の工程の効率向上に関するソリューションを提案した。CAM「ESPRIT EDGE」にAI機能を搭載。自動プログラミングシステム「ProPlanAI」機能は過去にプログラムされた内容の中から最も近いものを特定し、加工に適用する。過去データを活用することで効率的な工程計画作成を支援する。2.5軸や3+2軸加工の自動化に効果的。 3Dスキャナー「HYPERSCAN」は光学式トラッキングユニットを用いたターゲットレススキャンシステムを搭載。センサーヘッドを手に取りすぐにス計測を開始できる。高速レーザースキャンエンジンにより毎秒830万ポイントを収集可能。大型部品や細部の検査が効率的に実施できる。また、「ホールフラッシュ機能」も搭載し、「穴ピッチ」に関する情報のみが必要な場合の計測も迅速に実施できる。

兼房

 兼房は使用前の準備が容易なフェースミルを提案。「Nova E’Z Disc-mini(ノバ・イージー・ディスク・ミニ)」は、小径・狭ピッチでPCDの刃を配列。加工時の効率性が高まることによる省エネ効果を紹介した。刃の交換時は特殊センターボルトで締結することで、約3分で交換が可能。刃先振れ精度を確保でき、刃先高さを調整する必要がない。

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