マグネスケールは、工作機械に搭載して加工の高精度化を実現するロータリーエンコーダの新製品「RS37」、「RU37」を開発し、10月22日~25日にポートメッセなごやで開催された工作機械見本市「MECT2025(メカトロテックジャパン2025)」の会場で披露した。
RS37は、自己補正機能付きのオープンタイプロータリーエンコーダ(写真1)。リング(スケール)と1つの読み取りヘッドからなる分離型のシンプルな構造だが、同社独自の誤差補正方式「SICs(Signal Intensity Conversion system)」を採用したことで、高精度化を果たした。機械にスケールを取り付けた際に30μmの誤差があっても、誤差を検出して補正し、±2.5秒の精度を実現する。従来は2μmの誤差に抑える必要があった。スケールの取付許容値が±30μmと広いため、機械への取付作業が容易に行える。また、精度変化分を補正するため、経年変化により発生する誤差にも対応する。内径はφ70、φ120、φ200、φ260mmの4種を用意した。
写真1 自己補正機能付きのオープンタイプロータリーエンコーダ「RS37」シリーズ
RU37は、機械の回転軸と一体のベアリングユニットタイプロータリーエンコーダ(写真2)。芯出しが容易で、全体の体積を抑えられる。精度は±2.5秒で、内径はφ130とφ200の2種を用意した。ベアリングメーカーからの引き合いに応じて種類を増やしていく予定だ。
写真2 ベアリングユニットタイプロータリーエンコーダ「RU37」シリーズ
今回のRS37、RU37の追加により、既存のユニットタイプのRU77、RU97、オープンタイプのRS97-E/RS97-Nを含め、同社のロータリーエンコーダのラインナップは11種に拡充された(写真3、写真4)。マグネスケール事業本部マグネスケール営業部の西山尊史部長は「JIMTOF2024で『工作機械のトータルソリューション』をテーマに出展し、ロータリーエンコーダもPRしたところ、来場者の関心を集めることができた。当社はリニアエンコーダのイメージが強いが、今後はロータリーエンコーダにも力を注いでいきたい」と語る。同社の超精密計測技術を活かした多様な製品群を提案し、工作機械のセンシングおよび高精度加工に貢献していく構えだ。
写真3 MECTに出展したロータリーエンコーダ製品