NCシミュレーションソフトウェアの開発・販売のCGTech(東京都豊島区)は主力製品の「Vericut(べリカット)」の活用方法やユーザーの取組みを紹介するイベント「2025年ベリカットユーザー会(VUE2025)」を7月24日、都内で開催した。現在の最新版である「V9.5」の機能の詳細や生産性の向上に役立つ情報を提供したほか、9月に発売予定の「V9.6」の一部の機能を披露した。
ユーザーの事例では、精密金型や複雑形状部品を手掛ける共栄エンジニアリングが「VERICUTで切り開く!特殊加工技術の事例」と題して講演。VERICUTを活用することで、金型加工時のオーバートラベルによる機械停止の可能性の事前検証や機械ごとの加減速の設定が可能になったことによる加工時間算出の精度向上といった効果を紹介。微細ヘールなどの形状の加工時は、使用するNCデータや実機にセッティングしたワーク位置で検証が可能なことについて説明した。また、割出し5軸やU軸旋削が必要な形状は、旋削バイトが回転した際の検証が可能なことによる作業工数の削減効果について言及。同時3軸放電加工での活用事例も紹介した。
複雑形状への対応や段取り工数削減を目的に5軸マシニングセンタや複合加工機などの導入が進んでいる。また、切削が困難な複雑形状や金型製作の現場では放電加工機が欠かせない。高機能工作機械や放電加工機の機能を効果的に運用するためには、CAMやシミュレーションのソフトウェアの有効活用がポイントになる。聴講者は実際の加工現場での事例から自社での運用に役立てるためのヒントを探っていた。