プレス技術 連載「我が社の現場DXはじめの一歩」
2025.04.03
第3回 SiO セミナー&ショールーム見学レポートと開発者インタビュー
企画・文=ものづくりライター 新開 潤子(オフィス・キートス)
協力=SUS ㈱、㈱オシタニプレス、㈲沼製作所
ショールームで実際の応用事例を見学
続いてメンバーはショールーム(写真8)へ移動した。ここでは主力製品のアルミフレームのラインアップやSiO シリーズを使った電動からくりのセットアップ事例、電気を使わないからくり改善事例などを実際に触れて動かしながら見ることができる。
写真8 SUS 静岡事業所2 階にあるショールーム
例えば、SUS のアルミフレームとSiO を組み合わせ、ワークを90°回転させて排出するターンテーブルや、完成したワークを下段に払い出す折り返しシュータなどの事例を導入すれば、「箱が一杯になったら取りにきて運ぶ」というような定型業務を大いに効率化できそうだ。
押谷氏は完成したワークの箱を積上げるとテーブル位置が下がるリフタに注目(写真9)。「この仕組みなら腰をかがめずに箱を積んでいけるので、従業員が楽になりそうだ」と話していた。
写真9 積んだワークの高さに合わせてテーブルの位置が変わる台車を見て、自社の加工現場への展開 を検討中の押谷氏
一方の沼氏は、数の多い組立業務の半自動化や、プレス加工後の製品箱のハンドリングなどを検討している様子(写真10)。しかし「完成品がこのように動くのは理想ではあるが、プレス機まわりのスペースを考えると、このまま導入するのは厳しそう」とのことだった。いずれも実際に動かしながらデモ機に触れたことで自社の現場への導入イメージが膨らんだようだ。
写真10 完成品箱のハンドリングと自社工場のスペースを検討する沼氏(左)
自社で実践できそうな取り組み内容の絞り込みへ
最後に会議室に戻り、この日学んだプログラミングと実践事例を踏まえて、自社で改善できそうな取り組み内容を検討する時間を設けた。両氏は自社で改善できそうなアイデアを挙げ、辻氏に相談しながら実現の可能性を順に探っていった(写真11)。
写真11 自社の現場への導入について辻氏(中央)にアイデアを相談した
そして実現できそうなケースでは、必要な部品と構成について具体的にリストアップし、帰社後の部材購入の目処も立てることができた。
結果、オシタニプレスではプレス現場へのリフタ導入など3 案、沼製作所では金型交換時間の記録の自動化を含む3 案を持ち帰ることになり、キックオフミーティングは終了した。
なお、SUS が今回提供してくれたセミナーとショールーム見学は、本連載の取材のために特別に実施してくれたわけではない。SiO シリーズのセミナーについては、5 名以上を目安に人数が集まれば開催可能で、場合によっては出張開催もできるということだ。
ショールーム見学については、北海道から九州まで全国に13 か所あるショールームで随時受け付けている。また、アルミフレームやSiO シリーズの実物と事例を詰め込んだトラック「エクスペリエンスカー」では出張展示会も開催できる。これらはいずれも完全予約制なので、希望する場合はSUS のホームページから最寄りの営業窓口(iDshop)を見つけて「『プレス技術を見た』」とご相談いただければと思う。
次回からは2 社の実際の現場への導入レポートが始まる。2 社の現場は、SiO シリーズでどう変わったのだろうか。ぜひお楽しみに。