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プレス技術 連載「モノづくり革新の旗手たち」

2025.06.25

金型設計力のさらなる強化で製品の付加価値増大に挑戦 顧客の課題解決に貢献する―山元

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山元㈱  代表取締役社長
山元希企氏

 埼玉県越谷市に本拠地を置く山元は1964 年に創業のプレス加工メーカー。電子部品向けの精密金型の設計・製造や量産でスタートした同社は、他社に先駆けて順送技術を確立するなど急成長を遂げた。その後もドーム型接点部品やオイルレス加工などユニークな技術を次々に開発し、さらなる業績拡大に成功した。今年5月に社長に就任した山元希企氏に同社のこれまでの歩みと、新しいチャレンジについて聞いた。

一歩先を読む事業戦略が業績を支える

『プレス技術』編集部

どんなものを作っていますか。

山元

車載部品や電子部品など精密部品の試作、端子やスイッチ類といった電子部品や、各種板ばねなど薄物部品がメインです。産業別では自動車が40%、通信機器30%、産業機械20%、家電10%となっており、これらが4 本柱になっています。また川根工場(静岡県榛原郡)では主にパワー半導体向けの部品を作っていますが、表面キズにうるさい部品のため、加工後に洗浄機にかけないで済むようオイルレス加工技術を開発しました。金型に工夫を凝らした技術ですが、失敗を繰り返してノウハウを確立した当社の看板技術の一つです。

独自開発のドーム型接点部品は通信端末の入力用機能部品として大ヒットしました。

スイッチの接点に使われる板ばねの一種で、ドーム形状で押すとペコペコするので通称「ペコ板」と呼んでいます。最初はガラケーのキーに採用いただき、それが世界シェアで15% ほどに成長しました。ただ、時代の流れとともに漸減していくと予想していましたので、別の使い道はないかとマーケティングし、家電などのリモコンや家庭用ゲーム機のほか、車載のステアリング部品にも用途が拡大、これが現在、当社のペコ板需要の95% ほどを占めています。
ドーム型接点部品

ドーム型接点部品

車載部品

車載部品

足下の状況は。

当社に限って言えば、海外拠点を含めて業績は好調に推移しています。特に車載部品については全体的には落ち込んでいるというニュースも耳にしますが、当社はヒットしている車種の部品が多いなど幸運にも恵まれ、逆に若干伸びている状況です。確かに中国市場についてはあまりよくありませんが、今のところ当社の事業に大きな影響はありません。中国ではもともと主力だった日系メーカーのほかに別の日系メーカーの開拓にも成功、これに地元中国の会社からの需要も取り込み、現在は日系メーカー向けで8 割、あとの2 割が中国系向けという内訳で推移しています。

5 月末に社長に就任されました。

十数年前から銀行とのお付き合いを含めて全部私が引き継いでいたため、経営面では何ら問題ありませんでした。代替わりの話は前々からあったのですが、いざ決まってみると、お客様へのご挨拶などスケジュール調整が付かずバタバタでした。
車載部品

平面研削盤によるプレートの加工

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