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プレス技術 連載「モノづくり革新の旗手たち」

2024.12.20

高度な金型技術をベースに量試一貫のサポートを展開 顧客の課題解決に貢献する

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㈱サンワ金型 代表取締役
鈴木大輔氏

 愛知県安城市に本拠地を置くサンワ金型は1970 年の創業の金型専業メーカー。自動車部品を中心に試作から量産までプレス型、樹脂型問わず手掛けて成長を続けてきた。最近では、新事業・新工場を立ち上げるなど積極的な投資で攻勢をかける。2022 年から同社の指揮を執る5 代目の鈴木大輔氏に同社のこれまでの歩みと、これからの戦略について聞いた。

ものづくりの楽しさを分かち合いたい

『プレス技術』編集部

どんな金型を得意としていますか。

鈴木

プレス金型、樹脂金型の試作から量産型まで、金型の部品、仕上げ、組付け、測定といった一通りのサービスを提供しています。もともと大手自動車部品メーカー出身の技術者が創業した会社ということもあり、扱う金型は自動車部品用がほとんどです。特にラジエータなど熱交換器まわりの部品が多く、インナーフィンなどの冷却部品のプレス金型や、樹脂部品では各種のファンやタンクが中心です。冷却部品が多いため、熱伝導率の高いアルミを得意としていますが、鉄はもちろん、最近ではステンレス系なども増えてきました。プレス型が6~ 7割の年が多いのですが、年によっては樹脂型の方が多い年もあります。最近のように開発環境の波がある時代には、難易度が高いプレス型が多い傾向にあります。

編集部

サイズ的にはどのようなものが多いですか。

鈴木

小さなものだとプレス・樹脂問わず各種コネクタ部品から、大きなものだと2m を超える長尺物の順送型まで。前者ではセンサの部分の端子の曲げやせん断、モールドパッケージなど、後者では850mm ほどのコアプレートと呼ばれる自動車のラジエータ部品などです。樹脂部品の大きなものでは径でいうとφ450 ~φ500 の部品の型も作っています。
順送金型

順送金型

コアプレート(アルミ製、穴精度± 0.025)

コアプレート(アルミ製、穴精度± 0.025)

編集部

御社の強みは。

鈴木

量試一貫サポートを提供している点です。プレス・樹脂問わず、試作・量産型の設計製作から、補給用の金型部品の供給や金型のオーバーホールまでのサービスです。例えば金型の中には、試作品と量産品とで形が違ったり、量産では実現できない形状のものが少なからずあります。量試一貫の取り組みは、そのギャップが少なくする狙いで始まったものです。一方、金型の運用局面では、量産を続けていくうちにオーバーホールが必要になったときや、金型部品を入れ替えるときは金型を作った当事者が手掛けるのが最も安心だと考えています。

編集部

最近のお客様からの要望は。

鈴木

「壊れない金型がほしい」という要望をいただくことが多いです。とはいえ、絶対に壊れないというわけにはいきませんので、当社では壊れにくい、もしくは壊れてもリカバリーしやすい型を提供しています。まずは壊れにくい形状を検討し、それでもどうしても不安だなとなれば、そこは入れ替えパーツを簡単に作れ、複雑な調整がなくても入れ込んで使える構造に設計します。ゆくゆくは金型一つひとつの「カルテ」を作れないかと考えています。それぞれの出生記録や既往症のようなデータを残しておくことで、メンテはもちろん、使い方のアドバイスもできるのではないかとみています。
金型設計室

金型設計室

編集部

新たにトライ事業をスタートしました。

鈴木

本社工場の一画にトライセンターを立ち上げ、当社が作った金型はもちろん、他社さんが作った金型でも持ち込んで試打ちしていただいています。60t ~ 100t プレスに加え、立ち上げにあたって新たに300t サーボプレスを導入しました。トライセンターで作成した試作品は1,000 ~ 10,000個程度の試作品供給が可能となっています。最近では、このトライプレス事業が好評で、日程をシェアするのが難しくなってくるほどの引き合いをいたただいています。機密保持の必要もあり、複数社同時に対応するわけにはいかないため、今後はさらなる拡張も視野に入れて考えています。
トライプレスを前にした検討

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トライプレス300t サーボ

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