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機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2026.03.27

第25回 3次元ツールを活用した真のペーパーレス化

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いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

ペーパーレス化を進めるために

 ペーパーレス化は、デジタル技術の発展や働き方改革、法改正の影響などにより、徐々に進んできてはいるが、日本では紙文化やハンコ文化が根強く残っているところもあり、海外と比べて遅れているのが現状である。

 ペーパーレス化が進んでいない理由に、経営者のIT リテラシー不足や従業員のツールや業務フローが変わることへの不安、システム導入にコストがかかるなどといった課題がある。

 これまでの紙の文化が当たり前だったため、ペーパーレス化の働き方に抵抗を感じる人が、特に製造の現場には多いかもしれない。また、オフィスワークでも業務を効率化すると自分の仕事がなくなるかもしれないといった不安を持つ人もいるだろう。しかし、今までと同じことをやっていては、環境の変化に対応できずに企業の存続が難しくなってくる。

 ペーパーレス化はトップダウンで一方的に推し進めるのではなく、現場で働く人たちの理解と協力を得ることが何より重要である。ペーパーレス化によって、業務効率化が図れ、働く自分たちの作業負担やコストが減り、利益が上がり、さらには自分たちの給料が上がるといったメリットを説明し、理解してもらうことで、ペーパーレス化の推進力が増していく。そして、環境への配慮、サステナブルなモノづくりにつながることも啓蒙し、社員の理解を深め、取組みを加速させていく。

 ペーパーレス化は目標達成の手段であって、それが最終目標ではない。ペーパーレス化を実現した結果、最終的に企業としてどうありたいかを目標に据えてほしい。目標設定を誤ってしまうとペーパーレス化は達成できても、実は無駄な作業が増え、社員が疲弊してしまうかもしれない。

 一度にすべてをペーパーレス化するのが難しい場合は、段階的に取り組んでいくことで、負荷を分散できる。まずは、簡単にできる部分から取り組んでみるとよい。例えば、図面や資料のデジタル化から始めるのもよいだろう。始めやすいところから取り組んでみて、問題点や課題を見つけ、PDCAサイクルを回し、目標達成を目指してほしい。大変ではあるが、一番効果が出そうな部分から取りかかるという考え方もある。

 ペーパーレス化を進めるにあたり、システムやツール導入の必要性も当然出てくるが、それらを導入しただけではうまくいかない。きちんと管理と運用のルールを決めて、推進していってほしい。ペーパーレスをした場合に資料をデジタルデータとして閲覧するための機器として、社員にPCやタブレット、スマホなどを支給する費用が発生するが、年間の紙の印刷代や保管場所などの経費が減らせることを考えればメリットは大きい。紙がなくなると机の上もスッキリし、書類棚が減らせることでスペースが広くなるなど職場環境も良くなる。会議のための資料を印刷して用意する手間も不要となり、紙の使用量を減らし、会議などで使用後に不要になる紙のゴミの量を減らせることになり、会社として地球環境に配慮した取組みへとつながる。

 モノづくりにおけるペーパーレス化は、効率化、生産性向上、品質改善、コミュニケーションの円滑化など、多くのメリットをもたらす。その一方で、セキュリティ対策、プロセスの変革と管理、社員への啓蒙や教育といった取り組むべき事項もたくさんある。きちんと計画を立てながらペーパーレス化を推進していってほしい。

ペーパーレス化が進むことによる次のステップ

 ペーパーレス化が進むことで、IoT 技術を活用して生産状況をリアルタイムで収集し、AIによる分析やデジタルツインなどにつながる社内の取組みが行える準備が整えられる。社員がPCやタブレット、スマホなどで製品仕様や生産状況をリアルタイムで確認できるようになることで、さまざまな課題に素早く気づき、改善に取り組むことができる。社内でのさまざまなデータの共有のスピードが上がり、チャットやオンラインでのコミュニケーションが生まれることで、社内改善が進み、製品のQCDの向上へとつながっていく。

 デジタル化に抵抗を感じていた人たちもペーパーレスは時間とともに慣れてくるだろう。紙がないことが習慣となり、さらにはデジタルの便利さに気づき、よりデジタル化を進めるための提案が出てくるかもしれない。ペーパーレス化は製造業がまずは取り組むべきことであり、DXに向けた第一歩である。

 情報をVR(仮想現実)やMR(複合現実)で見る技術が進んできている。先の未来として、データをスマホやタブレットで見るのではなく、VRやMR技術を活用して気軽に見ることができる時代が来るかもしれない。そんな楽しい未来を待ちながら、ペーパーレス化を進めていこう。
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