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機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2026.05.11

第27回 3Dプリンタのキャリブレーションについて事

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いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

おばら てるき:いわてデジタルエンジニア育成センター長。自動車内装部品の設計会社を退職後、岩手県北上市を活動の拠点に10年以上、3次元デジタル技術関連の人材育成、企業支援に努め、学生から求職者、企業まで幅広く指導し、3次元から始めるDX推進活動を続けている。同センター長のほか、3次元設計能力検定協会の理事も務める。

はじめに

 製造業において、工作機械や製造装置などを使用した加工を行う際、作業に適した状態であることを事前に確認、調整をする「キャリブレーション」を実施するが、3Dプリンタも同様に必要に応じてキャリブレーションを実施する。キャリブレーションが適切に行われていないと、3Dプリント時に造形不良が起きてしまう。今回は、3Dプリンタのキャリブレーションについて説明する。

3Dプリンタの仕組みと主なパーツ

 3Dプリンタの仕組みと構成する主なパーツについては、造形方式や機種によって異なる。ここでは、比較的安価に入手できる「材料押出」の3Dプリンタを例に説明する。材料押出は、熱溶解積層方式と呼ばれたり、英語で「MEX:MaterialExtrusion」や「FDM」、「FFF」などと呼ばれたりもしている。主に材料としてリールに巻き付けられた細長い糸状の熱可塑性樹脂(フィラメント)をノズルから押し出して積層する方式である。

 3Dプリンタには、細かなものまで含めるとさまざまなパーツが使われている。ここでは、3Dプリンタを使用するうえで最低限覚えておくべきものに絞って説明する(図1)。
図1 3Dプリンタの簡易的な構造と仕組み

図1 3Dプリンタの簡易的な構造と仕組み

1.材料(フィラメント)
 リールに細長く巻かれた糸状の樹脂。熱を加えると溶け、冷えて固まる熱可塑性樹脂である。材質は主にPLAやABS。

2.エクストルーダ(押出機)
 材料(フィラメント)をギヤとベアリングなどで挟み、モータで押し出す。

3. ノズル
 材料を細く押し出すための部分。材質は銅が多く、造形中は熱くなる。一般的な穴の直径は0.4 mm。ノズルが詰まると材料が出なくなるので注意が必要である。

4.造形テーブル(造形ステージ/ビルドプレート)
 材料が積層されるテーブル。このテーブルの水平と高さをきちんと調整することが大切である。

 3Dプリンタの動きについてだが、図1 の3Dプリンタの構造で説明する。「2.エクストルーダ」と「3.ノズル」の部分が横方向に動き、「4.造形テーブル」が高さ方向と奥行き方向に動く。3Dプリンタの種類によっては、造形テーブルではなく、ノズルが奥行き方向に動くものがあったり、ノズルが高さ方向(上下)に動くものがあったりもする。

 これらのパーツがうまく機能しないと造形不良が発生してしまう。キャリブレーションも重要だが、そもそものパーツの劣化による不具合も発生することがあるため、定期的なメンテナンスやパーツ交換も必要になってくる。材料(フィラメント)については、湿気を吸って劣化してしまうため、乾燥剤を入れた箱の中に保管するなどのきちんとした対策が必要である。
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