機械修理ドットコム合同会社(山梨県韮崎市、050-5491-7117)が運営する「機械修理.com」(
https://kikai-syuuri.com/)は、工場内で稼働する機械・設備などの修理やメンテナンスを依頼したい企業(機械ユーザー)と機械修理を手がける企業(修理業者)、さらには機械の納入先企業へのアフターサポートを外注したい機械メーカー・商社と修理業者をマッチングするWeb サービスだ。同サービスには北海道から沖縄まで、全国の修理業者が登録している。生産ラインなどの自動化が進む一方で、課題となる“保全業務・保全スタッフの確保”を支援する。
簡単なステップで機械修理を依頼
「あるとき、遠方の企業から、費用と時間がかかってもいいからと緊急の機械修理依頼がきたので、向かってみると、ブレーカーが落ちていただけだった」。機械修理ドットコムの代表社員 田中剛氏は、知り合いの修理業者から聞いたこのような出来事をきっかけに、身近な修理業者と一緒に同業者のネットワークづくりに着手した。
「同業者の仲間が全国にいれば、遠方からの依頼でもその近くの修理業者にすぐに駆け付けて状況を見てもらえる。修理業者同士も助かるし、何より困っている方を早く助けることができる」。そんな思いで立ち上げたのが機械修理.comだ。同サービスに登録する修理業者は、44 都道府県に52 社・142拠点の規模に至っている(2026年3月現在)。
自動機などの修理やメンテナンスを希望する機械ユーザーは、機械修理.comのサイト上で、次のステップで依頼できる。
まず、機械ユーザー(顧客)は、問合せフォームから社名や住所、連絡先などの顧客情報、機械メーカーや機械型番などの機器情報、依頼内容、緊急度を入力する。依頼可能な内容であるかは、サイト上に「対応可能なジャンル一覧」として掲載されているので参考にできる。緊急度は、大至急、3日、1週間、2週間、4週間程度、から選択できる。これらの情報は機械修理.comの全登録業者に共有され、対応可能な修理業者を募る。
次に機械修理.comは、顧客に対して、依頼内容に対応できる修理業者の情報を一次見積もり額と合わせて、都度、送信する。顧客はその中から依頼したい修理業者を選定する。機械修理.comには修理業者ごとに企業情報や実績などが掲載されているので、顧客はそれらを参考にすることができる(図1、図2)。要望があれば機械修理.comから各社の特徴を説明することも可能だ。
業務を依頼する修理業者を決定すると、修理業者から連絡がくるので、直接やりとりをして、日時の決定や最終的な見積もりを取った後に、合意されれば業務を開始する。業務完了後に機械修理.comへ完了報告がなされて案件終了となる。
なかには、実際に現場に行ってみるとその修理業者の手には負えなかった案件や、そもそも顧客からの依頼内容に誤りがあった案件もある。その場合、案件の詳しい状況を修理業者から機械修理.comに報告してもらい、顧客が望めば、再度、対応可能な修理業者を募ることもできる。
また、「社内保全スタッフの高齢化、従業員の離職を危惧して人材への投資を躊躇してしまう、社内設備の整備記録がなく引継ぎができない、といった課題をかかえている企業も多い」と田中氏。そこで機械修理.comでは、定期メンテナンスの計画作成・実行、資産台帳作成・管理ルール作成などのサービスも提供できる体制を整えた。
多くの修理業者に機械修理.comに登録してもらうため、月額利用料は5,000 円に抑えている。機械修理.comには、毎月、機械修理に関する情報を収集する18,000ユーザーのアクセスがあるので、登録業者は広告媒体として活用している側面もあるとのことだ。現状、登録に際して修理業者の審査などは行っていないが、顧客からのクレームはこれまで1件も届いていないという。「今後、修理業務や安全に関する検定をつくり、参加を希望する修理業者に受けてもらうことも考えている」(田中氏)。
機械修理.comの特徴的な取組みとして、登録業者が交流できる「メンバーミーティング」を毎月1 回開催していることが挙げられる。登録業者同士で情報交換することで、お互いの強みや業務状況を把握できることが利点だ。「自社にない技術をあの会社が持っているから一緒に組んで仕事をしようとか、自社の人手が足りないから応援を頼もうとか、逆に今は人手に余裕があるから仕事を回してもらおう、といったやりとりもメンバー間で行われている」と田中氏は話す。
機械・設備のアフターサポートを請け負う
機械メーカー・商社向けには、緊急対応・定期メンテナンスなどアフターサポート、据付作業の人員確保、さらには「メンテナンスもできる販売代理店」としての製品販売、を請け負うサービスを用意する。費用は、月額基本料50,000円+対応時作業料としている。
現在の顧客は、食品機械メーカーと自動倉庫メーカーが多い。前者の納入先ユーザーはパート従業員や外国人が多いため、緊急対応時において電話でのサポートがしにくく、現地に赴くケースが多い。後者は限りなく人員を減らして稼働しているため、メンテナンスできる人材が少ないという状況がある。
機械修理.comは機械メーカーから製品の納入先の情報を可能な限り共有してもらい、あらかじめ対応できる登録業者をマッチングしておく。そして、登録業者は機械メーカーからトレーニングを受けたうえで現場に入る。「複数の登録業者が対応できるように、トレーニングの模様は動画で撮影するなどして、共有する仕組みとしている」(田中氏)。
機械メーカーによっては、オーダーメイドの機械を顧客に納入しているケースもある。その場合、登録業者はまずは機械メーカーのスタッフとともに定期メンテナンスに同行して機械の構造などをOJTで学んでもらう。また、機械メーカーが新規に顧客先に機械・設備を納入する予定がある場合は、据付・試運転・調整などを登録業者が機械メーカーと一緒に行いながら学ぶケースもあるという。
「機械メーカーでも人材不足は深刻な問題であり、アフターサポートへの余裕がなくなってきている。機械修理.comを利用すれば、1 つの窓口で全国の顧客先へのサポートが行える。機械メーカーは人材確保や協力会社を探す労力を省くことができる」と田中氏は強調する。
今後は、食品関連や物流関連の業界団体に加入するなどして、機械修理.comの知名度を高めるための取組みに力を注ぐ方針だ。
「機械ユーザー、修理業者、機械メーカー・商社それぞれに貢献し、日本のモノづくりの下支えとなる存在になりたい。海外展開も目指していきたい」と田中氏は将来を見据えている。