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機械設計 連載「B to B向け機械設計のポイント」

2026.04.21

第7回 量産検証で大切なこと ~関係部署との協力体制を構築する~

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技術力向上カウンセリングオフィス 布施 裕児

ふせ ゆうじ:代表 1989 年4 月、旭硝子(現・AGC)入社、パソコン用ハードディスク向けガラス基板の加工技術開発、営業などに従事した後、液晶用のガラスを扱う事業部に異動となり、液晶用ガラスの梱包容器/梱包材料の設計開発を17 年以上担当。途中、1 年半ほど知財部兼務となり、特許戦略構築、出願推進活動も経験。2023 年4 月、同社を早期退職。現在は中小企業の技術支援や組織改革支援、セミナー講師として活動中。(一社)製造業総合支援 副代表。資格:上級心理カウンセラー[(一社)日本能力開発推進協会]。

はじめに

 量産検証とは文字通り問題なく量産できることを検証していく工程である。つまり、設計開発を実現していくための活動そのものと言っても過言ではない。そのため、関係部署との協力体制を構築していくことが必要不可欠である。 

 図1 に一般的な設計開発のフローを示す。量産検証は一般的に言われるプロジェクト活動である。したがって、プロジェクトマネジメントのスキルが大切になる。本社機能がある場合、管理部署などがリーダーとなり量産検証を進める場合もある。しかし、筆者は基礎検討から進めてきた設計開発部署が責任を持ってプロジェクトを運営していくのが望ましいと考えている。
図1 一般的な設計開発のフロー

図1 一般的な設計開発のフロー

 なぜなら、検証を進めていけば、設計の見直しや各種対策を検討していく必要が出てくるからである。その場合、設計開発部署が対応せざるを得ない。仮に管理部署がリーダーとなって進めたとしても、管理部署のメンバーと設計開発部署が共同しないと検証は進められない。結局、いろいろな関係部署と協議を重ね、設計開発を実現していくうえでは設計開発メンバーのプロジェクトマネジメントのスキルは必須となる。 

 プロジェクト活動を進めるうえでは、最初に現状を整理し、明確にしたうえで、目標、ゴールを定め、そこに到達するための進め方、約束事をよく議論して決めておくことが非常に大切になる。今回は開発計画書をベースに協力体制を構築していくうえで具体的にどういったことに気をつけていけばよいのかを考えていきたい。

開発計画書

 会社によって呼び方は異なると思うが、「開発計画書」の名称を使う。基本設計/基礎開発が終了し、量産設計を行うための企画書、提案書と理解いただきたい。図2 に最低限、初めに決めておく必要があると考えている項目を示す。「背景」、「開発目的/目標」は文字通り背景や目的を記載する。「開発コンセプト」は、設計開発の基本的な考え方を示したものである。詳細は第3 回で紹介したが、そのコンセプトをもとに「開発範囲」を明確に記載することが非常に大切である。具体的には対象機種、設計開発項目、また要望事項の中から、今回対応しないものがあれば、それを明記することも大切である。
図2 開発計画書

図2 開発計画書

 「開発体制」に関してはイメージを図3 に示す。開発責任者と決裁者は、開発規模/困難度に応じて必要な役職を決めるようルール化してもよい。しかし、厳密に運用するには無駄も多く、ガイドラインと捉えて、設計開発部署と量産移管先の部署とで協議し、都度決めていき、承認を得る形の方が運用しやすい。
図3 開発体制のイメージ

図3 開発体制のイメージ

 また、進捗をフォローする会議はやはり必要である。企業文化もあるであろうが、情報共有と決済を行う全体会議と、少人数の専門家で深く議論する分科会の機能は必要だと考える。全体会議は参加者も多くなるため、定例会議として日程をあらかじめ決めておくことをお勧めする。
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