100 万分の1g の歯車を射出成形で製作し、業界で話題を集めた樹研工業(愛知県豊橋市)。小型射出成形機の内製や非球面レンズなど自由曲面形状に対応する超精密加工用工作機械の活用により高度な技術力と知見を蓄積してきた。最先端医療に関する製品を実用化するための製造技術も開発。独自技術を有するサプライヤーとして存在感を示している。率いるのは松浦直樹社長。音楽家という異色の経歴をもつリーダーが新たな成長へ導こうと知恵を絞る。今後の事業展開を聞いた。
まつうら なおき/ 1962 年、愛知県豊橋市生まれ。62 歳。愛知県立豊橋工業高校電気科卒業後、アメリカへ留学。バークレー音楽大学で学びながらプロ演奏者として生計を立てる。91 年ローランド入社、2003 年に樹研工業入社。15 年から現職。現在はフランス語を独学で学習中。
いまいずみ ひであき/1957 年愛知県出身。1980 年大阪工業大学卒業後、オーエスジー㈱入社。エンドミルやドリルの設計、開発に長年携わる。特殊工具の打合せや使用状況確認のために国内外多数の切削加工現場を訪問した経験をもつ。著書に「目利きが教えるエンドミル使いこなしの基本」(日刊工業新聞社)。