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機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2025.10.03

第17回 3次元CADにおける「スケッチ」をマスターしよう!

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いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

おばら てるき:いわてデジタルエンジニア育成センター長。自動車内装部品の設計会社を退職後、岩手県北上市を活動の拠点に10年以上、3次元デジタル技術関連の人材育成、企業支援に努め、学生から求職者、企業まで幅広く指導し、3次元から始めるDX推進活動を続けている。同センター長のほか、3次元設計能力検定協会の理事も務める。

はじめに

 3 次元CADで3 次元データを作成する際には、まずは「スケッチ」から始まる。これから3 次元CADを学ぶ人は、まずはスケッチから勉強を始めることになる。

 スケッチは、2 次元CADのように平面に線を描く作業である。長方形や円、直線や曲線をつないでスケッチを描き、描いたスケッチを押し出して厚みを付けたり、軸を指定して回転させたりしながら、立体(3次元データ)を作成していく(図1)。
図1 スケッチを「押し出し」と「回転」で立体化しているイメージ図

図1 スケッチを「押し出し」と「回転」で立体化しているイメージ図

 スケッチは、3 次元CADで立体を作成するために重要な作業である。スケッチができなければ、3 次元データを作成することはできない。一部、直方体や円柱などのプリミティブ形状をドラッグ&ドロップ作業で配置し、面を伸縮させて形状を作成できる3 次元CAD もあるが、多くの3 次元CADでは、スケッチを作成することから始まる。


 立体を作成するために重要なスケッチだが、初めて3次元CADを学ぶ人にとって、スケッチの作成でつまずいてしまう人は多い。今回は、スケッチの基本からつまずきやすいポイントも踏まえて説明する。

スケッチに必要な平面について

 3 次元CADでスケッチを開始する際に、作業の手順はソフトウェアによって異なるが、多くの場合、スケッチを開始のボタンを押し、スケッチを描く平面を指定していく。ソフトウェアによっては、スケッチを描く平面を選択してから、スケッチの開始ボタンを押すものもある。どちらにしても、スケッチを描く平面を選択して、スケッチを開始していく。

 ここでのポイントは、スケッチは「平面(平らな面)」に描くということである。ソフトウェアによっては、3 次元空間上に自由にスケッチを描く機能が搭載されている場合もあるが、初心者が3 次元CADで立体を作成することを学んでいく際には、「スケッチは平面に描く」ということを基本として知っておいてほしい。

 新規で形状を作成していく場合、コンピュータの画面上には何も立体形状がない状態であるが、基準面が用意されている。3 次元CADでは、3 つの基準軸として、X軸、Y軸、Z軸があり、基準面は、X軸とY軸でできる「XY平面」、X軸とZ軸でできる「XZ平面」、Y軸とZ軸でできる「YZ平面」の3 つがある。ソフトウェアによって、高さ方向がZ軸の場合とY軸の場合がある。高さ方向がZ軸の場合、XY平面が平面(上面)、XZ平面が正面、YZ平面が側面となる。高さ方向がY軸の場合には、XY平面が正面、XZ平面が平面(上面)、YZ平面が側面となる(図2)。
図2 座標軸と基準面の違いについて

図2 座標軸と基準面の違いについて

 2 次元CADでは、X軸とY 軸の2 軸を基準にXY平面の1 つの基準平面に作業を行うが、3 次元CADではZ軸が追加され、3軸となり、3つの基準平面が始めに用意されている。多くの場合、この基準平面にスケッチを作成していく。基準平面ではなく、手動でユーザーが平面を作成し、そこにスケッチを描いていく場合もあるが、基本としては、基準平面にスケッチを作成していくところから始めていく。立体形状がある場合には、その立体形状の平らな面(平面)にもスケッチを作成することが可能である。スケッチを描く面に関して整理してまとめると、基準平面、ユーザーが作成した平面、立体形状の平面にスケッチを作成していくことが可能である。
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