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機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2025.12.11

第20回 3次元ツールを活用したサステナブルなモノづくり

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いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

おばら てるき:いわてデジタルエンジニア育成センター長。自動車内装部品の設計会社を退職後、岩手県北上市を活動の拠点に10年以上、3次元デジタル技術関連の人材育成、企業支援に努め、学生から求職者、企業まで幅広く指導し、3次元から始めるDX推進活動を続けている。同センター長のほか、3次元設計能力検定協会の理事も務める。

はじめに

 地球環境に配慮したサステナブルなモノづくりの実践は、あらゆる企業に課せられた重要なテーマの一つである。「サステナブル(Sustainable)」とは、「持続する」を意味する“sustain”と、「可能」を意味する“able”を組み合わせた言葉で、「持続可能な」、「ずっと続けていける」という意味を持つ。サステナブルが名詞化した言葉で「サステナビリティ(Sustainability)」があり、直訳すると「持続可能性」となる。

 現代社会において、サステナブルは「地球環境を壊すことなく、経済成長を両立させながら、安定的な社会づくりを目指す」といったような意味合いで使われている。つまり、私たちは美しい地球を保ち続けるための設計や仕組みを考えて行動することが求められている。

 世界の人たちが共通の目標として取り組んでいる「SDGs」という言葉を聞いたことがある人も多いことだろう。SDGsとは“Sustainable DevelopmentGoals”の略称で「持続可能な開発目標」を意味する。2030年までに持続可能な社会をつくるために、「17 の目標」(図1)と「169のターゲット」で構成されている。「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」や「目標12:つくる責任 つかう責任」など、モノづくりとの関連が深い目標も含まれている。
図1 SDGsにおける17 の持続可能な開発目標の一覧

図1 SDGsにおける17 の持続可能な開発目標の一覧

 サステナブルとSDGsの違いは、SDGsは国連によって決められた国際目標であり、サステナブルは一般的な理念にあたる言葉である。つまり、サステナブルなモノづくりを行うことがSDGs への取組みにもつながる。

プラスチック資源循環促進法

 サステナブルなモノづくりの取組みの一つの例として、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下、プラスチック資源循環促進法)の施行が挙げられる。プラスチック資源循環促進法とは、プラスチック使用製品の設計から廃棄処理に至るまでの各段階において、表1 のようにプラスチック資源循環[3R(Reduce、Reuse、Recycle)+Renewable]の取組みを促進するための措置を講じた法律のことで、2021 年6 月に公布され、2022年4月1日から施行されている。
表1 3R+Renewableについて

表1 3R+Renewableについて

 プラスチック使用製品製造事業者が取り組むべき事項および配慮すべき事項として、具体的には、プラスチックの使用量の削減、部品の再使用、再生利用を容易にするためのプラスチック使用製品の設計または、その部品もしくは原材料の種類の工夫、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチックやバイオプラスチックの利用などが挙げられている。

 取り組むべき事項に「構造」に関する指針があり、製品の減量化や包装の簡素化、長寿命化などの検討事項がある。「材料」の指針では、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチック、バイオプラスチックの利用などの検討事項が記載されている。

 そのほかにも、製品のライフサイクル評価や情報発信および体制の整備、関係者との連携などの事項が記載されている。プラスチック部品を設計していない人が読んでも勉強になる内容である。ぜひ、一度、読んでみることをお勧めする。
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