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機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2026.07.22

第30回 3次元CADを習得するために大事なこと

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いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

おばら てるき:いわてデジタルエンジニア育成センター長。自動車内装部品の設計会社を退職後、岩手県北上市を活動の拠点に10年以上、3次元デジタル技術関連の人材育成、企業支援に努め、学生から求職者、企業まで幅広く指導し、3次元から始めるDX推進活動を続けている。同センター長のほか、3次元設計能力検定協会の理事も務める。

はじめに 

 3 次元CADの習得は、機械設計者にとって簡単なことではない。2 次元CADと比べて覚える機能が多くあり、線を描くという作業のほかに、フィーチャ機能を使用して立体を作成する作業が追加で必要となる。概要を何も知らずに3次元CADの習得に入る前に、用語や心構えを知っておくことでスムーズに学習に入ることができる。今回は、これから3次元CADを習得する人、教える側の人に向けて、最初に理解しておいてほしいことを紹介していく。

立体を作成するために重要なスケッチ 

 3 次元CADで立体形状を作成するために知っておくべきことは、「スケッチ」と「フィーチャ」の関係性である。一般的な3次元CADは、スケッチ機能を使用し、2次元の断面輪郭形状(プロファイル)を描き、フィーチャ機能で立体化を行う(図1)。3 次元CADを始めるにあたって、まずは、この関係性をしっかりと理解してほしい。 
図1 スケッチからフィーチャ(押し出し、回転)による立体化

図1 スケッチからフィーチャ(押し出し、回転)による立体化

 スケッチは、3 次元CADで立体を作成するために重要な作業である。スケッチができなければ、3 次元モデルを作成することはできない。一部、直方体や円柱などのプリミティブ形状をドラッグ&ドロップ作業で配置して、面を伸縮させて形状を作成できる3 次元CADもあるが、多くの3 次元CADでは、スケッチを作成することから始まる。立体を作成するために重要なスケッチだが、3 次元CADを初めて学ぶとき、スケッチの作成でつまずいてしまう人は多い。

 3 次元CADでスケッチを開始する際に、作業の手順はソフトウェアによって異なるが、多くの場合、スケッチを開始のボタンを押し、スケッチを描く平面を指定していく。ソフトウェアによっては、スケッチを描く平面を選択してから、スケッチの開始ボタンを押すものもある。どちらにしても、スケッチを描く平面を選択して、スケッチを開始していく。 

 ここでのポイントは、スケッチは「平面(平らな面)に描く」ということである。ソフトウェアによっては、3 次元空間上に自由にスケッチを描く機能が搭載されている場合もあるが、初心者が3 次元CADで立体を作成することを学んでいく際には、スケッチは平面に描くということを基本として知っておいてほしい。 

 スケッチを描く平面を選択してスケッチを開始し、次に行うのが線を描くことである。作成したい立体形状に合わせて線を描いていく。作成した線を「プロファイル」と呼ぶ。基本的には、原点を基準にスケッチを描く。または、原点を基準に寸法(サイズ)を定義して位置を確定する。立体形状がある中でスケッチを行う場合には、立体形状の要素(エンティティ)を基準にスケッチの位置を決めることもある。 

 線を描いてスケッチは終わりではない。「拘束」を定義する必要がある。拘束は、長さや距離、角度、直径、半径などの「寸法(サイズ)拘束」と水平や垂直、平行、直交などの「幾何拘束」の2 種類がある。 

 基本としては、始めに幾何拘束を定義して、スケッチを整えた後に、寸法拘束を定義していく流れとなる(図2)。2つの拘束を定義し、スケッチ空間上の位置とサイズを完全に定義していく。立体形状がある中でスケッチを描いている場合には、形状の線や面などの要素と拘束の定義を行うことができる。
図2 スケッチを描く一般的な手順

図2 スケッチを描く一般的な手順

3次元CADで重要なフィーチャ 

 フィーチャとは、機能・特徴という意味である。3 次元CADでは、3 次元モデルをつくるための機能・コマンド(指令)のことであり、その機能で出来上がる形状のことも指す。3 次元CADでは、フィーチャ編集、フィーチャ抑制、フィーチャコピーなどの機能があり、「フィーチャ=作業」と置き換えて、作業編集、作業抑制、作業コピーなどと考えると理解しやすい。 

 さまざまな機能があるフィーチャの中で、最初に教わるのが「押し出し」である。呼び名は3 次元CADソフトによって異なるが、2 次元のプロファイル(断面)を面直方向に平行移動させ厚み付けを行い、形状を作成したり、形状を削ったりする機能である。面直方向以外にも指定した方向に形状を作成できる3次元CADもある。また、勾配角度を指定して形状を作成したり、押し出しの開始位置と終了位置を点や線、面などの要素を指定し、さらにオフセット量を設定できたりするものもある。押し出しは単純な機能ではあるが、奥が深く、使いこなせるようになれば、機械設計の効率を上げることができる。

 押し出し以外に、スケッチから立体化するフィーチャとして、「回転」、「スイープ」、「ロフト」などがある。これらを作成フィーチャと呼び、出来上がった立体形状に丸み(フィレット)付けや面取りを行うフィーチャを修正フィーチャと呼ぶ(図3)。そのほか、形状をコピーできる機能などもあり、活用することで作業の時間短縮を図ることができる。3 次元CADを習得するためには、フィーチャ機能を理解する必要があるが、すべてのフィーチャ機能を理解する必要はなく、自社で設計するのに必要な機能に絞って学ぶことで効率よく習得していくことができる。まずは自社で設計する形状の把握から始めてみるとよい。
図3 形状を作成するフィーチャと形状を修正するフィーチャ

図3 形状を作成するフィーチャと形状を修正するフィーチャ

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