icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

機械設計 連載「教えてテルえもん!3次元ツール習得への道」

2026.07.22

第30回 3次元CADを習得するために大事なこと

  • facebook
  • twitter
  • LINE

いわてデジタルエンジニア育成センター 小原 照記

3次元CADを教わるときに大事なこと

 これから3次元CADを社内や社外、授業などで教わる人に向けて、予習、復習などの観点から大事なことを説明する。

1.予習

 学生時代に授業を受ける際に予習を必須とされるものと、されないものとがあっただろう。予習は、漢字のとおり、習う前に、あらかじめ勉強しておくことであり、授業の理解を深めることができるメリットがある。 

 3 次元CADの場合、環境として、会社や自宅に3 次元CADソフトがあり使えればよいが、ない場合には、操作を実際に行う予習はできない。もし、教科書やテキストなどが事前に配布されているのであれば、軽く目を通すだけでもよいので、少しイメージを持っておくとよい。Web サイトやYouTubeなどに動画が掲載されていることもあるので、それらを見ておくのもよいだろう。 

 3 次元CADを習うのに、予習が必須というわけではないが、もし、事前に何かイメージを持てることが行えるのであれば、実施しておいた方がよい。応用的な内容を習う場合には、自分がわからないところ、苦手なところを整理したうえで習いに行った方が理解を深めることができる。

2.講習中・授業中 

 3 次元CADは、授業の中で「実習」に分類され、実際に操作しながら習うものである。先生のお手本の操作を見て、実際に操作をしていくのが一般的である。ここで注意した方がよいこととして、まずは、先生と操作画面を同じにすることが挙げられる。メニューやコマンドのアイコンの位置、3 次元CADで作成した3 次元モデルの向きなど、先生と同じ画面にすることでクリックする箇所などが間違いにくくなる。慣れないうちは別な箇所をクリックしてしまうこともあるが、ESCキーや戻るボタンで対処し、どうにもならないときは先生にすぐに相談した方がよい。教える先生も受講者と同じ画面にするのが理想である。たまにカスタマイズしたもので行う人がいるが、お勧めはしない。また、どうしても先生の操作画面をプロジェクタに映すなどの理由でディスプレイの解像度が受講者と変わってしまう場合があるが、その場合には教える側も受ける側も注意が必要である。 

 受講側は、ただ見て聞くだけではなく、操作を見ながら自分も操作をしなければいけないため大変であり、授業についていけなくなる場合があるかもしれない。できるだけ、先生の話を一字一句、聞き逃さないのが理想だが、どうしてもわからず、ついていけなくなったときは、早めに先生に助けを求めることをお勧めする。先生としても、かなり先に進んでから、操作が止まっていたことを知らされると、そこまでのリカバリーが大変になるため、困ったら遠慮せずに早めに助けを求めた方がよい。

 最初は余裕がなくて操作についていくのも難しいかもしれないが、操作の意味を理解しながら習うのが理想である。手と耳と頭をうまく一緒に動かしながら受講してほしい。ただ単純に先生と同じところをクリックして操作をこなしていくのではなく、機能の特徴、使いどころなど、先生が説明している内容を聞き逃さず、自分で考えながら理解を深めていくことが大事である。自分で後から操作ができるように、操作する順番、手順について、頭の中で整理して、イメージするようにしてほしい。せっかく先生がいるのだから、わからないところなどは質問しながら自分の理解を深めてほしい。

3.復習 

  3 次元CADを教わって習得するうえで1 番大事なことは、復習である。習っているときは、先生と一緒に操作してわかったつもり、理解した気になっているが、1 週間もすると忘れていることが多い。せっかく、お金を払って習ったことを忘れては、もったいない。できるだけ早く復習をすることを推奨する。 

 会社で教育を管理している人であれば、必ず復習をする時間を社員に確保してあげてほしい。学生であれば、家に3次元CADがないと操作を実際に行って復習することは難しいかもしれないが、教科書を眺めるだけでもよいので取り組んでほしい。また、ネットで検索して動画を視聴するなど、勉強する時間を確保してほしい。 

 この復習する時間をうまく確保できないがために、3 次元CADの操作習得が進まずに、社内の3次元設計がうまく進まないという失敗が多いのである。ここで問題なのが、復習をしている際に操作がうまくいかない場合である。先生と一緒に操作していたときには問題なくできたのに、自分の会社のパソコンで作業したらうまくいかないことは、よくある話である。教える側は、できるだけ、復習ができるように動画を用意しておくなど、その後のサポートサービスを用意してほしい。 

 講習で使用している3次元CADの設定と社内の設定が違ったり、バージョンが違ったりすることにより操作方法が異なり、うまくいかない場合もある。先生に質問したり、メーカーや商社に問い合わせたり、SNSに投稿したりするなどして、解決を試みてほしい。

4.応用・実践 

 講習を受け、復習も行い、習ったことを理解したら、いよいよ実践となるわけだが、思い通りにいかないことも多くある。講習で題材にした3 次元モデルはつくれるが、自社製品の3 次元モデルをつくろうとしたらうまくいかないことは、よくあることである。 

 3 次元モデルのつくり方は多種多様であり、形状や基準位置、定義したい寸法によって変わってくる。コマンドの使い方は理解していても、自分がつくりたい形状を何の機能を使ってつくればよいかを考えることができるようになるには、日々の鍛錬が必要になる。コツやポイントはあるわけだが、少しずつ実践経験を積みながらスキルアップを図っていく必要がある。 

 3 次元CADの基本的な機能を学習しても、自分のイメージする形状を作成することは難しいのが現状である。どのようにすれば目的の形状を作成できるのかがわからないと、設計という本質に時間を使う代わりに、形状の作成作業に時間を使うことになってしまう。基本となる型を学び、繰り返しの練習を行うことで「モデリング」という作業をマスターし、モデリングにおけるいろいろなつくり方のパターンを学び、さまざまな場面で臨機応変に対応できるスキルを身に付けていってほしい。 

 練習するにあたり、自社製品を題材にするのもよいし、Web サイトやYouTubeなどで取り上げられている題材をまねしてつくってみるのもよいだろう。自分が好きな物をつくるのもよい練習であり、楽しみながら学んでいけるとよい。

まとめ

 今回は3次元CADを習得するために知っておくべきことから、教わるときに気を付けることについて説明した。3 次元CADの操作を習得するには復習が大事で、反復練習しながら自分のスキルを磨いていってほしい。

 3 次元CADは独学で学ぶことができる場合もあるが、誰かに教えてもらうのがお勧めである。そして、教わるときに心掛けてほしいことは、謙虚の姿勢である。謙虚は遠慮して質問しないこととは違う。先生から教えてもらえることへの感謝の気持ちを忘れずに受講してほしい。教わってあげているという上から目線はやめた方がよい。もちろん教える立場でも教えてやっているという気持ちを持つべきではない。 

 また、3 次元CADの操作を覚えられないことを人のせいにするのはやめるべきである。もちろん教え方がうまい人、下手な人がいるのも現実で、先生が悪い場合もあるが、決して、教え方が悪いから自分が覚えられないと悲観的にならずに、精一杯学んでほしい。どうしても耐えられないのであれば、学校を変える、商社を変えるなども、1つの解決の手段ではあるが、まずは自分と向き合って自分のポテンシャルを信じ、3 次元CADを学び習得し、自分の思い通りの形状をモデリングできるようになってほしい。そして、優秀な機械設計者になってほしい。今回の記事が少しでもその参考になれば幸いである。

 
25 件
〈 2 / 2 〉

関連記事