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展示会レポート

2025.01.15

<展示会レポート>2024 日本ダイカスト会議・展示会

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 日本ダイカスト協会が隔年で開催している「2024日本ダイカスト会議・展示会」が2024 年11 月14 日(木)~16 日(土)の3 日間、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された。ダイカストマシン、金型、材料、そのほか周辺技術・製品の216 企業が参加し、過去最多の出展数となった。

UBE マシナリー

 会場で注目を集めたのはUBE マシナリーによるVR を使用した製品紹介。紹介された新製品は「UH9000」で、ギガキャスト用超大型ダイカストマシンとして型締め力9,000 t を保有する。充填力も高く、およそ最大1 秒10 m(空打ち)で材料を行き渡らせることができる。また省スペース性にもこだわり、従来機のUH6500 よりも小型化に成功している。

ブラザー工業

 ブラザー工業が紹介したのは新製品の「デバリングセンター SPEEDIO DG-1」。今までは手作業で行われていたダイカスト部品のバリ取りを行う専門機。多品種少量生産が目立つダイカスト部品でも活用できるよう、専用のティーチングコントローラを活用した簡単な教示操作や補正、自動経路生成などで短時間の立ち上げが可能。320×360 mmの治具エリアをもち、自由度の高い治具設計も可能だ。

ニイミ産業

 ニイミ産業がPR したのは「ニイミ式リジェネ熔解炉」。ダイカスト加工の際、多くのCO2 を排出するのは材料の熔解工程。同熔解炉では給排気が独自構造の蓄熱体を通過することで燃焼用の空気が600 ℃に予熱、排気は150 ℃に抑えられる(従来のものだと1,000 ℃となる)。この一連のサイクルをバーナーを交互に切り替えて燃焼させ、熱損失を大幅に減少。ガスの消費量も49 %削減に成功している。

ルブケミージャパン

 韓国メーカー、Tectyl 社の難燃性油圧作動油「TectylVEGI Series」を紹介したのはルブケミージャパン。同製品では従来の引火点130 ℃前後よりはるかに高い318 ℃を引火点としており、火災などのリスクを大幅に低減。また潤滑性も高くそれに呼応して電力消費量が減少し、CO2 削減にも大きな効果がある。また植物油をメインに使用しており、土壌汚染のリスクもない。ダイカストマシン、プレス機械、射出成形機などでの活用事例が増えている。

テクノコート

 ダイカスト金型の「溶損」、「焼付き」、「湯流不良」を予防する製品としてテクノコートがPR したのは放電被覆・肉盛り装置「スパークデポ」。放電加工の原理を応用することで予防保全のためのコーティング、補修の肉盛りを、特別なスキルがなくとも1 台で行うことができ、ワークへのひずみやひけなどの悪影響もない。また持ち運びが簡単なため、近年ではメガキャストの金型などへの活用でも利点が見いだされている。

筑波ダイカスト工業

 大型のマグネシウムのダイカスト成形品を展示し注目を集めたのが筑波ダイカスト工業。近年の軽量化の波でマグネシウムのダイカストには需要があるが、割れやすく精度を出すのが難しい。同社は薄物のマグネシウムダイカストを得意としており、ノートパソコン筐体の0.5 mm の実績もある。写真は26 インチのリアパネルで一体成形しているもの。

アッサブジャパン

 アッサブジャパンが展示したのは金属3D プリンタを使用し、ダイカスト金型内部に複雑な冷却水管を設置した事例。6 mm の厚さの中に2 mm の冷却水管を入れられるなど薄肉にも対応。製造時間こそかかるが、適切な冷却効果によるサイクルタイムの短縮や不良率の低減を加味するとトータルコストはカットできる。金型へのダメージも抑えられるため、ショット数も約2倍の回数となるという。

オリエンタルエンヂニアリング

 オリエンタルエンヂニアリングは新皮膜「Next-GenCoating」を紹介。同皮膜に採用されているP-CVD 法はほかの方法と違い同じ装置の1 回の工程で複合処理でき、母材の強化と密着性も向上する。それに加え今回の皮膜は膜の組成を「傾斜組成」にすることで従来よりさらに密着性が20 %向上。アルミダイカスト金型などの耐熱性、耐摩耗性などが高く要求される金型に最適。

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