EV 開発・製造の進展に伴って自動車業界で大きな注目を集めるギガキャスト。そのギガキャストにダイカスト専業メーカーとして国内で最初に参入したのがリョービだ。今年3 月には菊川工場(静岡県菊川市)でギガキャスト向けの新工場が稼働する予定。昨年12 月に完成した広島本社敷地内の新社屋で、ギガキャスト技術の研究開発に携わる新田真氏に話を聞いた。
※本記事は2024年12月9日実施の取材をもとに作成。
新工場は今年3 月の稼働予定で準備の最終段階に入っています。ギガキャスト向けに採用した機械はUBE マシナリー(山口県宇部市)の型締め力6, 500 t の鋳造機1台です。鋳造機はもちろん、現場で使用するさまざまなものが従来に比べて大きいこともあり、建屋をつくるところから始めました。敷地内は鋳造工場と金型工場、さらに出来上がった製品の後工程と検査を行うエリアと大きく3つに分けています。 当社がギガキャストを手がける狙いとしては、これまでにない大型ダイカストの一体成形技術を身につけるということが一つ、もう一つは国内のお客さまからの「ギガキャストを検証したい」という要望に対して国内で支援させていただくことの2 点が挙げられます。そのため新工場は試作目的の工場と位置づけていて、現時点では量産を計画しているわけではありません。
広島の生産拠点ではなく菊川工場を選んだのはやはり輸送の問題ですよね。
はい。型締め力6, 500 t となると一番大きな鋳造機の部品で100 t くらいになる。UBE マシナリーの工場は海辺にありますから、船で御前崎港へ海上輸送してそこから菊川工場までの約20km を陸送します。菊川工場以外の拠点ではそれだけ大きなものを陸送するのは厳しく、同程度の重さの金型を今後運び入れることも考えると菊川工場が当社にとって唯一の場所であったということです。