中部地区で最大規模のプラスチック産業の専門展示会「名古屋プラスチック工業展2024」が2024 年11 月20 日(水)~22 日(金)の3 日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催された。主催は中部プラスチックス連合会と中部日本プラスチック製品工業協会と日刊工業新聞社。同展は3 年に1 度開催されており、今回で34 回目を迎えた。今回は「プラスチックが創る、サステナブルな未来へ。」がテーマ。3 日間を通じた来場者数は1 万7,170 人となった。(編集部)
日精樹脂工業
日精樹脂工業は、新型ハイブリッド式高性能射出成形機「FNX80 Ⅳ -12A」を展示し、同社が展開するハイブリッド式射出成形機向け低圧成形システム「N-SAPLI」をアピールした。金型にセンサを取り付けることで成形時の金型の挙動データを取得する。充填初期に金型が少し開く程度の低い型締め力で樹脂を充填することで、ガス抜けが良くなり充填量も増えてそりやひけの発生を防ぐ。
芝浦機械
芝浦機械は、全電動式射出成形機「EC180SX Ⅲ -4A/1AS-Concept」やサブ射出ユニット「EC Plus+」による、リサイクル材を使ったサンドイッチ成形のデモを行った。多材多色成形に用いるEC Plus+を利用して表面層にバージン材、中間層にリサイクル材を充填する。ブースでは、同社のリモート監視システム「iPAQET4.0」や同社製多関節ロボットなどを組み合わせた、検査や糸バリ除去などの後工程の自動化ソリューションもアピールした。
松井製作所
松井製作所は、微細発泡成形システム「MuCell」をアピールした。射出成形時に溶融樹脂に窒素や二酸化炭素を供給することで発泡成形を行う。発泡による保圧でひけが防げるほか、型締め力を低減でき金型のダウンサイジングに寄与する。発泡剤を混合することで発泡成形を行う従来の化学発泡では、薬剤の反応時に樹脂内に水分が発生する問題があった。
旭電器工業
旭電器工業は、同社の原着成形技術「スッピンでべっぴん!」で成形したサンプルを展示した。同技術はメタリック色やピアノブラックに着色した樹脂材料を使って射出成形加工のみで高意匠表面を実現する技術で、自動車内装部品で特に受注が多いという。コーティングなどの2 次加工を行わないため、成形品はリサイクルに向く。「環境負荷低減というメリットを強調し、循環型社会の時代の波にのっていきたい」(担当者)。