先端力学シミュレーション研究所
先端力学シミュレーション研究所は、「スクラップ落下シミュレーション」を展示し注目を集めた。ソリッドデータがあればどんな金型・スクラップ形状でも簡単に仮想空間の中で落下テストが行える。スクラップの落下不良はプレスラインの停止要因の4割を占め、金型破損なども引き起こす原因。解析技術者に依頼せずに設計者自身ですぐ解析・設計変更のサイクルを回せるのは大きな利点だ。
東洋プレシジョン
高精度な金型プレートの事例を多く展示したのは東洋プレシジョン。近年、金型プレートにはSKD11をもとに切削性を向上させた材料が多く使われるが材料の靱性を犠牲にしていることも。同社では「経年変化0」を目指し、あえてSKD11などの従来の材料を推奨し、ピッチ精度2μmで加工。高精度な金型プレートを選択することで、金型の組立て期間の短縮や、メンテナンス回数の減少などコスト削減の効果も大きい。
三豊機工
冷間圧造金型を手がける三豊機工は、産学連携の取組みを紹介。圧造金型は超硬をスチール製の補強リングに圧入することで予圧を生じさせ、圧造時の金型破損を防いでいる。この予圧のばらつきが型寿命に影響するが、これまでは確認するすべがなかった。同社は鹿児島県工業技術センターと共同で予圧状態を可視化する技術を開発。予圧のばらつき削減や型寿命の予測に取り組んでいる。
ゴーショー
ゴーショーは、イタリア・HS ASPE社の高速自動タッピングマシン「T10-S」を出展。2スピンドルによる2個取り仕様で、M4の内径ねじなら1分間に90個のスピードで転造加工できる。HS ASPE社はタッピングマシンの専業メーカー。剛性重視の機械設計が特徴で、加工精度とスピードを両立している。
テラスレーザー
テラスレーザーは、接合用レーザ溶接機によるデモを披露。ファイバーレーザの搭載によりTIG溶接やアーク溶接に比べて溶接時の焼けやひずみが少なく、薄物の溶接をきれいに仕上げられる。1,500Wの高出力と機体のコンパクトさが特徴で、ワイヤの自動供給機能付きで初心者でも使いやすい。「精密板金向けの溶接機として市場を開拓していく」(担当者)。
富士機工
富士機工がアピールしたのは、2024年からスタートしたエアー漏れの診断サービス。同社の社員が顧客の工場に出向き、米・FLUKE社の超音波カメラでエアー漏れの発生箇所を把握。1分間に漏れている量やそれによりかかる年間の推定コスト、推定CO2排出量などをレポートとして提出する。約10m先のエアー漏れも可視化できるので、天井付近の配管からの漏れも発見できる。
セーレンス
ヤマナカゴーキンのグループ会社であるセーレンスは、新規顧客開拓に特化した営業支援システム「SaleScience」をアピール。自社の営業マンが誰といつ会ったのか、どんなアプローチをしたのか、どこまで話が進んでいるのかを社内で共有でき、経験の浅い若手営業マンでも「どこにアプローチすべきか」のヒントを得られる。初期費用300,000円(税別)、10ライセンスで月額68,000円(同)から利用可能。