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プレス技術 連載「モノづくり革新の旗手たち」

2024.11.15

自社製品開発の経験を通じてソリューション力を強化顧客の課題解決に貢献する

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㈲早野研工 代表取締役
早野文仁氏

 1983 年の創業の早野研工は、岐阜県大垣市に本拠地を置く板金加工メーカー。創業以来、積極的な設備投資を通じて加工のレパートリーを拡げ、急成長を遂げた。また最近では自社製品開発の経験を糧にさらなる提案力を獲得するなど顧客支援に向けて攻勢をかけている。2003 年から同社の指揮を執る早野文仁氏にこれまでの歩みと、物づくりにかける想いを聞いた。

B to C で物づくり力を強化

『プレス技術』編集部

現在の主力製品を教えてください。

早野

現在は建設機械部品が4 割、鉄道部品が2~ 3 割、残りは搬送部品や半導体関連部品などです。自動車関連では製造工程で使うトランスファー用フィンガーのほかに金型関連の部品なども作っています。
当社は何かに特化せず、どちらかといえばオールマイティにお客様の要望に応えるというスタイルの会社です。計画的に発注いただいている部品も多く、柔軟に生産調整をすることで急ぎの注文をいただいた場合でも臨機応変に対応できるように準備しています。

編集部

加工面での強みは。

早野

保有設備のバリエーションが多く、いわゆる板金加工機械を使った加工のほかに溶接やプレスなどにも対応しており、さまざまな工程を一手に引き受けることができるのが強みです。製缶や架台など溶接して組んだのちに切削するといった加工も可能です。もともと自動車部品の試作や金型づくりのためにマシニングセンタを導入したのですが、部品加工もしてほしいという要望を引き受けているうちに、それが特色になりました。
材料的には、鉄、ステンレス、アルミがメインですが、最近では電磁鋼板の引き合いも多くいただいています。打抜き加工のみならず、抜いたものを曲げたり、ケースにしたりなどといった仕事も多くいただいています。
ベンダー作業

ベンダー作業

溶接作業

溶接作業

編集部

最近の顧客からの要望は。

早野

一つは納品後に手間が掛からないような納品の仕方です。キレイに梱包してほしいとか、直送してほしいなど。例えば従来は箱にガチャガチャと入れていたのを今はパッと見て数がわかるようにするなどきめ細かなサービスが望まれています。もちろん、横もちしたくないという理由から一貫生産の要望も多くいただいています。
もう一つはB to C のニーズです。作りたいものがあるけどどこに頼んでいいかわからない個人・法人の方が対象です。図面を作ってあげるなど手間は掛かりますが、反面、価格面では詰めたものにはならないためやりやすさもあります。依頼する側にとっても、いざ加工業者を探そうにも「うちではできません」と突き放されることも多くなかなか見つかりません。当社ではそういったニーズにもできるだけ応えていきたいと思っています。そうすることで今まで自分たちの業界とは別のルートを開拓することができ、それが新たなB to B の仕事にもつながっています。
今後は「うちはこれしかやりません」というスタンスでは新しい仕事には巡り合えないと考えています。

編集部

昨年、室原工場を新設しました。

早野

一昨年、メインとなる養老工場(岐阜県養老郡)に隣接する工場を買い取り、昨年、室原工場としてリニューアルしました。新たな設備導入や、作った製品をストックしておくスペースの確保が狙いです。時間もあったため、工場内を綺麗にしたり、塗装し直す作業はできるだけ自分たちでやりました。すでに溶接工程の一部は移設を完了しており、現在、新たに導入する油圧プレスの設置に必要な準備をしているところです。
プレスの増設にあたっては、古い300 t プレスを残しつつ、新たに500 t の油圧プレスを導入します。これまで300 t プレスで絞り加工をしていましたが、品質の安定化と生産性の向上のために導入を決めました。
養老工場内部

養老工場内部

社員による板金加工作品

社員による板金加工作品

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