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型技術 連載「巻頭インタビュー」

2025.03.03

金型の内製で造形へのこだわりを追求 モデラーの想像を超える商品を生み出す

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㈲ファインモールド 代表取締役
鈴木邦宏氏

Interviewer
本田技研工業㈱ 金型生産部
金型設計課 開発Gr グループリーダー
坂井 裕氏

金型メーカーに必要なのは営業力

金型技術者の人材育成や人材確保のために活動されていることがあれば教えてください。

若手で経験が少ない人にはできるだけ技術などを教えるようにしています。昔に比べて今は最初から給料も高いので、どんどんやらせてどんどん経験させる。早く一人前にしたいと思っています。今、金型部門には4 名が在籍していて、20 代が1 名、30 代が1名、50 代が2 名。早いうちからできる限りいろいろなことにチャレンジさせて、早く仕事を覚えてもらいたいですね。そのためにも時間が許す限り、しっかりと仕事を教えています。

鈴木社長は自ら貪欲に知識や技術を吸収して、非常に早いタイミングで独立したというお話がありましたが、社員に対して「もっとこうなってほしいのにな」というもどかしさを感じることはありませんか。

社員に対してはあまり求めてはいけないと思っています。それは欲目になる。日頃から見ていたらその人にどこまで要求していいかというのは自ずとわかるものじゃないですか。人によって性格や得意不得意が違うわけですから、そこを考慮しないといけません。むしろ、当社のような小さな企業では、どうやったらその人のポテンシャルが最大限発揮できるのかを考える方が実りは大きいと思います。人材確保については、頻繁には募集はしていないのですが、直接会社に「働きたい」と電話がかかってきて「じゃあ一度遊びに来たら」という感じで面接のようなことを行う場合もありますね。あまり堅苦しくありません。

最後に金型業界の皆さんへ向けたメッセージをお願いします。

金型もそうですが、日本のモノづくりにおいては日本にしかできないものをつくっていくしかないと思います。金型業界について言えば、発注側が金型メーカーにただただ安くつくらせている状況が良くない。中国へ金型を外注するときと比べても、中国製だからそれなりの品質でも仕方がないとあきらめるのに、日本製だと中国製より足元を見るという購買の仕方も変ですよね。そういう状況が今後改善していけばと思います。
一方で、日本の金型メーカーはもっと営業をやらないとダメですね。仕事が来るのをただ待っているところも多い。中国の金型メーカーが偉いと思うのは、内容の質はどうあれ営業メールをたくさん送ってきて営業努力を行っているところ。日本の金型メーカーは営業力を強化する必要があると感じています。良いモノをつくる技術があっても、それをお客さんに買ってもらえるようにしないと話になりませんから。

私自身、御社のファンの1 人として、これからも素晴らしい商品を世に提供し続けていただければうれしいです。本日はありがとうございました。
鈴木邦宏(すずき くにひろ)
1978 年 愛知県立豊橋工業高校 卒業
1979 年 鈴木健雄設計室 入社
1980 年 愛知産業コンクリート工業㈱ 入社
1981 年 ㈱林金型製作所[現㈱ハヤシモールド] 入社
1987 年 ㈲ファインモールド 創業
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