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プレス技術 連載「我が社の現場DXはじめの一歩」

2025.04.22

第4回 現場導入レポート 沼製作所編

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金型交換タイムカウンタ

 2 つめの仕組みとして、ボタンを押すだけで金型交換時間を記録する金型交換タイムカウンタ(写真5)を作った。プレス加工メーカーならどこでも発生する作業だと思うが、沼製作所ではどう変わったのだろうか。
写真5  キャスタを付けた可動式の台にSiOt コントローラとタイムカウンタ、スイッチボックスを取り付けた。現場で使っていたPC の置き場を変えて活用することに

写真5  キャスタを付けた可動式の台にSiOt コントローラとタイムカウンタ、スイッチボックスを取り付けた。現場で使っていたPC の置き場を変えて活用することに

1.導入前の課題

 従来は金型交換の開始時間、作業時間を作業者が日報に手書きしていた状況。しかし作業者によって「開始」「完了」の認識にばらつきがあったことと、振り返りの度にデータ入力、集計に手間がかかる状況だった。

2.SiO を使って作った仕組み

 アルミフレームでキャスタ付きの台車を製作。フレームにSiOt コントローラとタイムカウンタ、スイッチボックスを設置した。

3.プログラム

・金型交換作業開始時に緑ボタンを押す
 →タイムカウンタが動く
・金型交換作業終了時にオレンジボタンを押す
 →タイムカウンタが停止
・停止後、IoT-Monitor がPC に.csv でログを送信(開始時間、終了時間、所要時間)
・オレンジボタンを長押しするとリセットする

4.こだわりポイント

・キャスタを付けた(複数のプレス機で活用可)
・SiOt を見えるところに設置した
・ カウンタを目線の高さに配置して、高さと角度を変えられるようにした
・天板を自分で塗装してちょっとおしゃれにした

5.得られた成果

・作業時間が正確にわかるようになった
・手書き記録の入力
・集計作業がなくなった
・データが蓄積され、振り返りが容易になった

6.改善ポイント

 まずライトの点灯が控えめで、時間計測中であることがわかりにくいという声があった。沼社長は「今後、測定中であることがわかりやすいライトに切り替えていきたい」とのこと。

 また、終業後にPC を終了するとSiOt の接続もリセットされるため、翌朝の始業時に「PC の起動」「IoT-Monitor を立ち上げ」「接続」とルーティーンが増えてしまった。少しの作業だが「ちょっと手間」ということだった。
 かかった費用:約45,000 円
 架台のフレームは近所のホームセンターで購入して約2 万円。

 コントローラとスイッチボックスは、最初に練習用に購入したトレーニングキット(約2 万円)をそのまま流用したため、追加購入したのはタイムカウンタ(9,600 円)のみ。PC は新たに購入せず、現場用PC の置き場を変えて対応した。
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