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プレス技術 連載「我が社の現場DXはじめの一歩」

2025.04.22

第4回 現場導入レポート 沼製作所編

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ものづくりが好きな人ならハマる楽しさ

 今回のプロジェクトで、セミナーから計画、設計、自社の現場への導入の一連の流れについて感想を沼社長に聞いた。

―プロジェクトに取り組んだ感想は?

沼 今回、当社で初めてIoT に挑戦しましたが「うちでもできた!」というのが正直な感想です。特に電機系の改善が自分でもできることがわかったのは大きな収穫だと思います。プログラムの作り替えが、プロに外注しなくてもすぐにできるのがいいですね。これから継続して改良に取り組んでいければと思います。

―これから自動化したい工程はありますか?

沼 実は今期、熟練技が必要なタップ工程の自動化を最優先テーマに掲げています。まずは半自動化の検討を進めていますが、1 年で自動化まで持っていきたいと思っています。SiO 関連では、順送プレスの出口にコンベアを付けて、製品をカウントアップして一定数になったら箱を入れ替える…なんてことができたらいいですね。イメージは着いているので、計画を立てて取り組みたいです。将来的には、自動化やDX に対応した町工場になっていきたいと思います。そのために社員たちも巻き込んでいきたいですね。

―これから取り組んでみたい人にメッセージをお願いします。

沼 プログラミング未経験でPC がそんなに得意ではない私でも、SiO を使った改善を始めることができたので、きっと誰でもできると思います。今回やってみて、私はとにかく楽しかったんです。現場でポンチ絵を描いて、ホームセンターとモノタロウ(MonotaRO)で部品を買って、いじって考えながら組み立てる楽しさは、ものづくりが好きな方なら絶対ハマると思いますよ(写真6)。
―ありがとうございました。今後、新しい取組みのご報告をお待ちしています。
写真6  SiO のカタログを見ながら、改善プランを検討する沼社長

写真6  SiO のカタログを見ながら、改善プランを検討する沼社長

SiO 開発者 辻宏之氏コメント(写真7)

 SiOセミナーを受講された際に、プログラミング演習を難なく解かれていましたので、まったく心配はしておりませんでしたが、実際に2 つの案件を実施される中で、よりSiO への理解を深めていただけたのではないかと思います。

 「組付け機 完成品カウンタ」と「金型交換タイムカウンタ」はどちらもSiO コントローラのコンセプトにピッタリで、SiO の特長を活かした活用方法だと思います。「組付け機 完成品カウンタ」の「L 型BKT のワークで、置き方により2 回カウントしてしまうことがある」という点はカウンタへOUT を出力するまでの待ち時間を少し長めにし、センサがL 型BKT の前側を検知した後、後ろ側が通過し終わってからワークをカウントするように調整していただければ、解決できそうです。

 また、「金型交換タイムカウンタ」の「毎朝接続し直すのがちょっと手間」という点は、IoTMonitorに自動起動という機能がございます。こちらを設定していただければ、PC を起動すると、後は自動でIoT-Monitor とSiOt の接続までできるようになります。ぜひまたチャレンジしていただければと思います。

 最後に沼さんのメッセージの中で、「楽しかった」という言葉がとても印象的でした。開発にあたっては、SiO シリーズの活用によって現場改善や自動化に楽しく取り組めるようにしたいという思いがありましたので、本当に嬉しく思います。
写真7 SiO シリーズ開発者の辻宏之氏

写真7 SiO シリーズ開発者の辻宏之氏


 最近、町工場の若手社員が自ら手を上げて、生産の自動化やロボットプログラミングに取り組む様子を取材する機会があった。若手社員の中には、自動化やプログラミングに積極的に取り組み、業務に大きなやりがいを感じている人材が案外多く、自動化の取り組みは入社希望者の増加にも直結しているそうだ。人手不足が深刻化する今、自動化は必須の取り組みであるものの、専門業者に依頼するとお金と時間がかかって複雑になり、なかなか取り組みを始めるのが難しいことと思う。

 そんな中、専門業者に頼ることなく社内人材でDX・自動化に取り組めるSiO シリーズは、中小の町工場で有効なツールになりうる。若手や事務スタッフも含めて社内から人材を募り、小さなこと、できることから始めてみてはいかがだろうか。

 今回沼製作所ではSiO を活用した改善の第一歩として、シンプルな時間や物のカウント作業をデジタル化した。小さな一歩かもしれないが、今後のさらなる効率化に向けた大きな一歩になったに違いない。今後の継続・進展にも大いに期待したい。
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