自動車の場合、運転免許証を持っていないと運転できない。しかし、今回紹介した5 つの資格は、いずれも必須のものではなく、資格がなくても3次元CADや3Dプリンタなどを用いて仕事をすることが可能である。
では、資格を取得するメリットは、どこにあるのか。それは、“自分自身が保有するスキルや知識、技能レベルを客観的に証明できる”ということに尽きる。ビジネスの面では、資格があることで相手からの信頼度も高まり、新規顧客や取引先の獲得につなげられる可能性がある。また、社内での昇給/昇格、就職や転職活動の際に、有利であることは言うまでもない。
資格試験の勉強を通じて得られるメリットもある。資格試験では幅広い知識が問われることも多く、普段の実務の範囲を超えた内容を勉強しなければならない。このときは「資格試験のためだ」と思って勉強するわけだが、あるときそんな知識が実務で役立つことがある。
例えば、普段実務でソリッドモデリングしかしていない設計者が、資格試験の勉強のためにサーフェスや板金機能などの知識を得たことでモデリングの幅が広がり、仕事への対応力が向上したり、新規設備の選定時に資格試験で得た知識が役立ち、設備導入の効果が早く得られたりといったことがある。もちろん、すぐに役立つものばかりではないかもしれないが、資格試験の勉強を通じて得た知識が実務の幅を広げてくれた!といった経験が、筆者自身にもたくさんある。
すでに3 次元モノづくりに取り組んでいる人はもちろんのこと、これから3 次元ツールを習得し、3 次元モノづくりに挑戦しようとしている人も、今回の内容を参考に、資格取得に挑戦してみてはいかがだろうか。